2003-10-01から1ヶ月間の記事一覧

38話 イギリス人、カレーを食べる

宮本常一の『イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を読む』(平凡社ライブラリー)は、明 治初めに日本を旅行したイギリスの旅行作家の作品を、民俗学者が解読し、解説した本だ。この本で、バードが秋田でカレーを食べたという記述があることを 知った。『日…

37話 東南アジアのインド料理

サイゴン篇 夕方のサイゴンをさまよい、うまそうな屋台を見つけて夕御飯を食べた。そのあと、いつも のように腹ごなしの散歩をしていたら、住宅地のなかに「インド料理」という看板を見つけた。ベトナムとインドは、イメージのなかでどうも結びつかない。マ …

36話 東南アジアのインド料理

バンコク篇 インドには都合3回行った。最後に行ったのは1978年だから、長らく行っていないことになるのだが、なにか特別な理由があるわけではない。「行きたい」 という情熱がまったく湧いてこないだけだ。東南アジアの安楽・平穏・微笑に慣れてしまうと、…

5話 神田神保町

聖橋口から 何年も神田を歩いていると、しだいにその巡回路がだいたい決まってくる。決まりきったコースはおもしろくないので、ときどきコースを変えるものの、立ち寄る本屋はだいたい決まっている。 JR御茶の水駅の聖橋口を出て、まず三進堂へ。旅の本と…

34話 ヨルダンのアメリカ人

1975年の晩秋、私はヨルダンの首都アンマンにいた。 ある日の朝、バスで死海のほうに行ってみようかと思って宿を出たものの、バスターミナル近くで若者に出会い、世間話をしているうちに彼の車でドライフす ることになり、いくつかの遺跡を巡り、結局その夜…