2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

203話 雑語林の誕生

この欄のエッセイが200回を越えているので、記念というわけでもないが、私の考え方を書いておこうと思う。 この連載が始まったきっかけは、アジア文庫がホームページを作り、そのちょっとあとに私がパソコンを買ったからで、まあ、パソコンで文章を書く練…

202話 石森章太郎の海外旅行 その3

3カ月の海外旅行を終えて2年後、石森は旅行記を出版した。『世界まんがる記』(三一書房、1963年4月)は、のちに同じ書名のまま中公文庫に入った(1984年)。今回はこの旅行記をネタに話を進める。 1960年代初めの若者が、外国旅行をどう考え…

201話 石森章太郎の海外旅行 その2

石森の海外旅行話を読んでいて、「旅費の不足分が200万円というのは、いくらなんでも費用のかけすぎではないか」という疑問から、今回の文章を書いてみようと思ったのである。 日ごろ、貧乏旅行の本ばかり読んでいて、「どうすれば安く旅行できるか」とい…

200話 石森章太郎の海外旅行 その1

「快傑ハリマオ」の連載を終えた石森章太郎(のちの石ノ森章太郎)は、マンガ家生活6年目にして、「マンガ家はもういいや」という気分になっていた。1961年、石森23歳のときだ。 石森は、マンガ家になりたくてマンガを描いていたわけではない。大学に…