2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧
その書名から、企業駐在員の異文化体験を考察した本だろうと想像して、見つけてすぐに注文したのが、『外貨を稼いだ男たち 戦前・戦中・ビジネスマン洋行戦記』(小島英俊、朝日新書、2011)なのだが、読んでみれば羊頭狗肉、看板に偽りあり、ビジネスマンの…
校正や校閲の話は、思い出せばいくらでも出てくるし、資料も豊富にあるものの、出版関係者以外にはあまり関心がないだろうから、このテーマの話は今回で最終回にする。 その編集部はもうこの世に存在しないから、書いてもいいだろう。私が体験した最悪の編集…
近所の図書館では、入り口そばに本が山と積んであり、「ご自由にお持ち帰りください」という表示がある。ちょっと前まで図書館で所有していた月遅れの雑誌や、図書館に寄贈されたものの、審査の結果、収蔵されなかった本などが、このコーナーで山になってい…
本の「あとがき」で、担当編集者に対する謝意が述べられているのはよくあることだ。ときには装丁者や資料提供者、あるいは家族への謝意が書いてあることもある。校正者の名前が入っている本は何冊かはあるだろうが、拙著『旅行記でめぐる世界』(文春新書、2…
こういう連載記事を書いているので、旧知の編集者に、校正・校閲の実情を取材した。いろいろ教えてくれたが、話をまとめれば、校正・校閲は編集者と校正者の腕と熱意と時間次第ということだ。 具体的な例をあげれば、雑誌に連載されている漫画の場合、ネーム…
校閲の大変さというものを、私の校閲読書で具体的に説明してみよう。校正読書あるいは校閲読書と言うのは、本を読んでいて、疑問に思ったことを調べながら読み進めていくことで、誰かに校閲を頼まれたわけではなく、本文の内容が気になると、先に進めなくな…
ロンリープラネットの誤字の話がおもしろくて、編集者に会うとその話をしていたことがある。すると、「じつは、ウチでも同じような・・・」と、秘密にしておきたい過去を告白してくれた人がいる。著者も校正をするが(これを著者校という)、本文の内容に最…
ある日、ロンリープラネットのホームページに何かおもしろそうな新刊がないか探っていたら、絶好の本が見つかった。”Once While Travelling : The Lonely Planet Story” By Tony & Maureen Wheeler というのは、解説によれば、世界最大の旅行ガイドブックを…