2014-04-01から1ヶ月間の記事一覧

594話 山田學が語る海外旅行産業史 2/4

東京オリンピック開催中は外国で 1964年4月、海外旅行が自由化された。それまでは、日本政府の許可がなければ海外渡航ができなかったのだが、自由化されたことで、誰でも海外観光旅行ができるようになった。「ひとり、年に1回、持ち出せる外貨は500ドル」と…

593話 山田學が語る海外旅行産業史 1/4

海外観光旅行前夜 図書館にとって旅のガイドブックは実用品であり消耗品だから、シリーズものは新版が発売されたら、いままで所蔵していた本は廃棄処分になる。シリーズものではなくても、ある程度月日が流れると、廃棄処分になる。あるいは、旅行ガイドブッ…

592話 ナイロビの飯屋

のちに『アフリカの満月』となる原稿を書いていたころだから、1999年の暮れごろだろう。半分ほど書きあげた原稿を旅行人編集部に送ると(あのころだから、「送る」というのは原稿の束を段ボール箱に入れて宅急便で送るという意味だったが、この本からワープ…

591話 ラジオの時代 4/4

体に歌を浴びたおかげで 小学校6年生の時に、父がポケットラジオを買ってくれた。それ以後、私はラジオ少年になり、現在もまだラジオを聞いている。AM放送の時代は、米軍放送を除けば、好きでもない歌が流れていることが多かった。前回書き出した多くの歌…

590話 ラジオ時代 3/4

奈良の山奥で 私は東京で生まれたが、1年ほどいただけで奈良の山奥に移った。物心がついた場所は、東西が山に挟まれた谷の村で、そこに1961年3月までいた。奈良の9年間のうち、前半は乳幼児だから、記憶があるのは幼稚園から小学校低学年までの間しかない…

589話 ラジオの時代 2/4

ブラジル音楽も、たっぷり聞いた。ただし、英米経由だった。 そういえば、ブラジル音楽を聞き始めたのも1960年代なかばからだった。これも私の個人的体験だけではなく、あの時代に外国の音楽に興味を持っていた多くの人が、ボサノバの波をかぶった。きっかけ…

588話 ラジオの時代 1/4

イタリア、フランスから歌が流れてきた 何の脈略もなく、突然「ミーナ」という人名が頭に浮かんだ。台湾の本を読んでいるときで、CDプレーヤーから流れていたのはドナルド・バードのジャズだから、ミーナとはまったく関係がない。ミーナという名を聞いて、…