2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

614話 「水を飲め」の歴史

その昔、運動部員は練習中は水を飲むことを禁じられていた。「水を飲むとバテるから」というだけで、科学的説明はなかったと思う。日本の何万もの体育教師や運動指導者たちが、その説を金科玉条として信じて疑わなかったのだから、脳みそ筋肉人間の行動は恐…

613話 最近の本お話 その7

銀座とパリ 後編 椎名誠の『風景は記憶の順にできていく』(集英社新書)に関連するこのコラムでは、タイトルどおり「銀座とパリ」の話だけ書く予定だったのだが、どうしても新宿の話を加えたくなった。この新書の最終章「新宿―旅人は心のよりどころに帰って…

612話 最近の本の話 その6

銀座とパリ 中編 注文した本がすぐに届いた。『屋上の黄色いテント』(椎名誠、柏艪舎発行、星雲社発売、2010)は短編小説集だ。銀座を舞台にした「銀座の貧乏の物語」と「屋上の黄色いテント」の2作は期待していたほどにはおもしろくなかったが、予想外の…

611話 最近の本の話 その5

銀座とパリ 前編 久しぶりに椎名誠の本を読んだ。彼が本についていろいろ書いた文章は躊躇せずに買うが、旅行記となると手を出さなくなったのだが、『風景は記憶の順にできていく』(椎名誠、集英社新書、2013)は、「思い出の場所を訪ねて・・・」という構…

610話 最近の本の話 その4

明治の日本、ジンバブエ、そして東京 明治時代に日本を訪れた西洋人の行動に関する本は、名著『逝きし世の面影』(渡辺京二、平凡社ライブラリー、2005)があるが、日本語未訳の文献も加えて同じような本を書いた『グローブトロッター 世界漫遊家が歩いたニ…

609話 最近の本の話 その3

本棚で発見 ウチで本探しをしていると、本棚の前で「おおっ!」と声をあげたくなることがある。そのほとんどは、すでに買っている本をまた買ったことに気づいたときだ。買って来た本を読み始めてすぐに、「あれ、この本、読んだぞ」と気がつくこともあるが、…

608話 最近の本の話 その2

『人力車』の奇跡 インドでリキシャ、タイでサムローなどと呼ばれている三輪自転車や、エンジンがついた三輪自動車について本格的に調べてみようと考えた時、かねてから欲しいと思っていた本を買う決心をした。人力車に関する世界唯一にして最高の研究書『人…

607話 最近の本の話 その1

『追憶のカンボジア』 お付き合いでしかたなく、今もタイの小説を読んでいるが、本当におもしろくない。宇戸清治さんが翻訳する「ポストモダンとかいう、まるでおもしろくない小説」を、おもしろいとは思えないのだ。もともと小説が嫌いで、「文学的作品」に…

606話 なぜか雑誌の台湾特集

最近の雑誌で、台湾を特集したものが多くなったような気がする。その昔、女性の旅行客が香港に多く行った時代があり、香港が中国に返還された1997年ごろから、香港旅行と香港映画と香港ポップの人気が一気に落ちて、しばらくして突然韓国に人気が集まり、こ…