2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧
コメの話の2回目だ。 渡部忠世は昔の稲の姿を求めて、インドに行った。ビハール州のナンダンガールという小さな村にある「アショカ王朝期」の遺跡で、タイと同じように日干しレンガに残された籾を調べた。「アショカ王朝期」というのがマウリヤ朝という事な…
コメの話・・当然ながら、随所にコメの話が出てくる。ひとまとめにして、「インドコメ図鑑」という6ページコラムにして、さまざまなコメの写真をつけてくれればわかりやすかったと思う。コメの名前だけ出てきても、それがどういうコメなのかまったくわから…
P255赤蟻・・テレビの仕事でタイに行った。タイ人の取材コーディネーターが案内したのはガーデンレストランだった。取材ではなく、その日の夕食なのだが、運ばれてきた料理を見て、昆虫料理専門店だとわかった。「また、これかよ。タイに来るたびに、こうい…
P159バフ・・1974年カトマンズ。レストランのメニューを見て、”Buff Steak”という文字が見え、「“Beef”の綴りを間違えたのだろうが、とりあえず注文してみるか」。その肉はえらく硬く、硬いクジラ肉のような印象だった。それは、私が生涯で初めて口にした牛…
P131血の食文化・・ヤギの血に内臓を加えた料理に、「チベットやネパールの食文化との近似性を感じさせる」という文章から、「インド料理と血」について考えた。 まず、世界の料理と血の例を。 肉食をする民族は、血に関してふたつのグループに分けられる。…
P105コメの飯と粉もの・・ターリー(金属製大皿)に盛られたインド料理を見ていて、ずっと気になっていたことがある。コメの飯に粉製品もついていることが多いようなのだ。粉製品というのは小麦粉をはじめいろいろな穀物の粉を加工したもので、薄焼きせんべ…
P43ローカライズ・・「欧米風ファストフードもインド人の口に合うようにローカライズされ、愛食されている」。 外国の食べ物を自分のものにするというなら、日本にはラーメンやカレーやトンカツなどその例はいくらでもある。いつもなら特に気にならない記述…
外食産業史の3回目だ。 『食から描くインド』(井坂理穂・山根聡、春風社、2019)は、さまざまなトピックを集めた興味深い本だが、この読書ノートの資料になるかどうかという点では、傍線を引き付箋をつけるページはなかった。イギリスにおけるインド料理の…
外食産業史の続きだ。 タイの外食産業史はこういうものだろうと想像している。 19世紀末にしばらくタイに滞在したイギリス人は、「バンコクの路上で働いているのは中国人などで、タイ人の姿は見えない」と書いている(”The kingdom of the Yellow Robe” by E…
この読書ノートは、取り上げるテーマが多岐にわたり、長短いろいろあるので、いままでのこのコラムのように、1回1話で構成することはできない。したがって、箇条書き風の構成になり、話の途中で「次回に続く」ということになるだろうが、まあ、その時はその…
前々回、食べ歩きガイドはいままでほとんど買ったことがないと書いたが、正確に言うと、あれは誤りだった。日本の食文化史を知るために、かなり昔に出版された料理店ガイドを買い集めたことはある。だから実用目的ではないが、資料として料理店ガイドは買っ…
『食べ歩くインド』が出るまでに私が読んだインド食文化関連書のいくつかを書き出してみよう。 国会図書館の蔵書リストで、書名に「インド料理」という語が入っているもっとも古い本は、タイムライフブックスの「世界の料理」シリーズの1冊、『インド料理』…
『食べ歩くインド 北東編』『同 南西編』(小林真樹、旅行人)を読みながら、傍線を引き、付箋をつけた部分に関して、発見や疑問や調査や思い出などさまざまな事柄を、これから書いていこうと思う。 最初に私の立場を明らかにしておくと、インドやインド料理…
建築と街歩きの本 1445話で書いたように、建築や街歩きの本を調べていて、『昭和の東京』を見つけてネット書店に注文した。すぐあとで、『くらべる世界』を注文したのだが、引き続きアマゾン遊びで建築や街歩きの本を探していて、『一度は行きたい幻想建築』…