2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

1480話 続編『食べ歩くインド』読書ノート その1

インドの食文化の話は前回で一応終わったが、付随する話を書いておきたくなった。 『食べ歩くインド』のあと読んだのが、共同通信社記者が書いた『13億人のトイレ』 (佐藤大介、角川新書、2020)だった。インドで食べる話を書きながら、出す話を読んでいた…

1479話『食べ歩くインド』読書ノート 第27回

手かスプーンか その3 最近のインド人は、どのようにして食べ物を口に運んでいるのかが気になって、相変わらず動画を見ている。ときどき横道にそれるのを楽しみながら、1日1回1時間ほど動画遊びを楽しんでいる。1時間分の動画観察をインド各地でやろうと…

1478話『食べ歩くインド』読書ノート 第26回

手かスプーンか その2 日本でスプーンが普及したのは、カレーライスが広まったからだ。時代的には、関東大震災(1923)のあと、1930年代にカレー粉が広く販売されるようになってカレーライスが家庭の料理になる中で、家庭の食具にスプーンが加わった。そんな…

1477話『食べ歩くインド』読書ノート 第25回

手かスプーンか その1 インド人は手食が当たり前ということは知っているが、スプーンを使うこともあるようだという現場を見た。 最初は、もう5年以上前になるだろうか、テレビをつけたら「世界の車窓から」(テレビ朝日)をやっていた。インドのどこかの駅…

1476話『食べ歩くインド』読書ノート 第24回

金属食器・・1940年代前半、軍人の間で「軍隊小唄」という歌が流行った。 いやじゃありませんか 軍隊は カネのお椀に 竹のはし 仏さまでも あるまいに 一膳飯とは、なさけなや 「カネのお椀」を「カネの盆」にすれば、インドだ。「竹のはし」を「カネの箸」…

1475話『食べ歩くインド』読書ノート 第23回

P298HOTEL・・・”HOTEL“という看板が掲げてあっても宿泊施設はないというカルチャーショックを受けるのは、何もインドだけではない。元英領インドという事なら、インドのほかにパキスタン、バングラデシュも、そして英領セイロン(現スリランカ)も、hotelは…

1474話『食べ歩くインド』読書ノート 第22回

P203サブダナ・・「ヴラト(断食)の際に食べられるサブダナですら元々は東南アジア起源の食材である」とあるが、サブダナがわからない。巻末の用語辞典をみると、「サブダナ・・・西インドでのタピオカの呼称」とある。タピオカはキャッサバのデンプンから…

1473話『食べ歩くインド』読書ノート 第21回

インドの飲み物の話の続きだ。 外国旅行など夢のまた夢だった少年時代、テレビの旅番組、もしかすると「兼高かおる世界の旅」だったかもしれないが、ココナツジュースを飲むシーンを見た。ココナツの上の方をそぎ落とし、ココナツに口をつけて、中の液体をご…

1472話『食べ歩くインド』読書ノート 第20回

P171ソフトドリンク・・インドの非アルコール飲料という事なら、真っ先にとりあげなくてはいけないのは水だろう。私がインドを旅していた時代は、ペットボトル入りの水などない時代だから、水道水を飲む旅行者とビン入り飲料か紅茶しか飲まない旅行者の2種…

1471話『食べ歩くインド』読書ノート 第19回

P161立ち食い・・だいぶ前から、立ち食いについていろいろ考えることがあり、折に触れて情報を探している。最初の情報は、『東西「駅そば」探訪』(鈴木弘毅、交通新聞社、2013)で、「立ち食いソバは、今は立ち食いではなくなっている」というものだ。立ち…

1470話『食べ歩くインド』読書ノート 第18回

P117カダムバットというライスボール・・たこ焼きの話の次は、おにぎりだ。南インドクーグル料理の代表的料理におにぎりがあるそうだ。117ページに丸めたメシの写真がある。大きさはわからないが、ピンポン玉くらいの大きさではないかと想像する。「日本のお…

1469話『食べ歩くインド』読書ノート 第17回

P108ヤシ・・ヤシ酒の話は1459話ですでにしたが、ここではヤシをまとめて解説してみよう。 熱帯の風景といえば、白い砂浜にココヤシというのが「お決まり」なのだが、ココヤシの林、つまりヤシのプランテーションは植民地化以後の風景である。ヤシを自家用に…

1468話『食べ歩くインド』読書ノート 16回

P42tiffin・・私が初めてtiffinという語に出会ったのは、シンガポールの、かのラッフルズホテルの”Tiffin Room”という北インド料理店だった。ある雑誌が、「シンガポールで、何か面白い企画を」と依頼され、出版社がカネを出してくれるなら、この機会に体験…

1467話『食べ歩くインド』読書ノート 第15回

『食べ歩くインド 南西篇』 今回から、『南西編』に入る。 P15菜食・・このページの文章が、私にはよくわからない。インド料理を知らない私がいうのは、ちゃんちゃらおかしいと言われそうだが、私の疑問はこういうことだ。 「一般的なイメージとして持たれて…

1466話『食べ歩くインド』読書ノート 第14回

コメの話の3回目だ。 『料理の起源』に続いて、『アジア稲作文化の旅』(渡部忠世、NHKブックス、1987)から情報を探した。この本の内容に、記憶はない、傍線も付箋もないから、もしかして読んでいないのかもしれない。そんな気がしたのは、この本はもっぱ…