2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

1681話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その29

最終回 若者の旅の歴史研究を いままで、28回にわたって、1970年前後の旅行事情を少し書いた(「少し」じゃないか)。もう30年も前から、戦後日本人の海外旅行の歴史を調べてきたが、いまだにジグソーパズルの大きくて非常に重要なピースが埋まらないままだ…

1680話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その28

戦後旅券抄史 6 2022年4月に私のパスポートの有効期限が切れるから、更新しなければいけないのだが、なかなか体が動かない。前回の、嫌な記憶があるからだ。その話に入る前に、2冊目のパスポートの写真の話をしておこう。 私にとって2冊目となる1978年発…

1679話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その27

戦後旅券抄史 5 私が作った旅券関連年表から、興味ある項目を書き出してみる。本文レイアウトがおかしいが、私の能力では修正できないので、あしからず。 1977.9.28 バングラデシュのダッカで、日本赤軍によるハイジャック事件が起こった。この時代世界各地…

1678話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その26

戦後旅券抄史 4 JCBカード、メルカリ、アマゾンなどの「なりすましメール」が続々と、かつ、しつこく着信しています。皆さま、ご注意を。 というところで、パスポートの話の続きを。 私が初めてパスポートを取ったのは1973年だった。その当時、どうやったら…

1677話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その25

戦後旅券抄史 3 1970年の「一般旅券発給申請書」に記入しなければいけない項目は、現在とはまったく違う。大時代がかっている。こうだ。驚くぞ! 氏名のあと、性別、既婚か未婚の別、身長、「外見上の顕著な特徴(ない場合は記入不要)」、本籍地、そして、…

1676話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その24

戦後旅券抄史 2 旅券発給申請書の話から始めよう。 『実用世界旅行』(杉浦康・城厚司、山と渓谷社、1970)に、「一般旅券発給申請書」の表面(おもてめん)のコピーが載っている。これは、私が申請した書類とあまり変わっていない。 パスポートは大別して、…

1675話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その23

戦後旅券抄史 1 パスポートの戦後史を知りたかった。 この話を、1回読み切りのコラムにしようかとも考えたが、一次旅券も知らない人が多くなったから、この機会に長編を書いてみようと思う。 パスポートの歴史を少し調べると、あまりに変化が激しく、「まあ…

1674話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その22

『ヨーロッパ鉄道の旅』をめぐるあれこれ 4 横浜から船で出てシベリア鉄道・モスクワそしてパリまでのツアー代金と、日本からパリ往復の格安航空券代金とそれほど変わらない値段だった1975年当時、それでも船を使った人の話だ。格安航空券の存在を知らなかっ…

1673話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その21

『ヨーロッパ鉄道の旅』をめぐるあれこれ 3 林芙美子がシベリア鉄道に乗った1930年代、ヨーロッパをめざす鉄道の旅は船旅よりも安くて早かったという話はすでに書いた。それでは、ナホトカ航路が始まった戦後はどうだったのか知りたくなった。 1963年発行の…

1672話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その20

『ヨーロッパ鉄道の旅』をめぐるあれこれ 2 前回旅行ガイドの話を書くなかで、”International Youth Hostel Handbook”の名を出した。国際ユースホステル協会が発行している冊子だ。画像検索すると立派な本の体裁だが、私が東京有楽町のそごうの中にあったユ…

1671話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その19

『ヨーロッパ鉄道の旅』をめぐるあれこれ 1 このコラムは、蔵前さんの「旅行人編集長のーと」で紹介していた『ヨーロッパ鉄道の旅』(山本克彦、白陵社、1969)について、ちょっと書くだけの予定だったが、若き漫画家が日本を出た1972年当時の旅行事情なども…

1670話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その18

シベリア鉄道と林芙美子 戦前期にシベリア鉄道でヨーロッパに向かった有名人は何人もいるが、そのなかでもっとも知られているのは林芙美子だろう。林芙美子関連の本は、旅行記研究のために何冊も読んでいるのだが、棚を探してもすぐには見つからない。そこで…

1669話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その17

続1970年 私が作った旅行史年表の「1970年」の項に、「パリ三越開店」とあり、今回それに付け加えて、「ストアーズレポート編集長椎名誠海外初取材にして、初の外国体験」と加筆した。しかし、気になることがあった。椎名誠の初めての外国体験に関して、『屋…

1668話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その16

1970年 日本人の海外旅行年表というのを作ってある。元はワープロ専用機で作ったもので、単行本1冊分くらいの量があった。その後、パソコンのワードに打ち変えて縮小版にした。 その1970年の項を見ていて、「おや?」と思った。原稿を書いた私がすっかり忘…

1667話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その15

地方在住者および県庁所在地から遠く離れた土地に住んでいる(気の毒な)人たち 4 「地方在住者の海外旅行」というテーマを考えていて、前回パスポートの申請や受理がめんどくさいだろうという話を書いた。北海道や離島に住んでいる人は、パスポートの申請と…

1666話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その14

地方在住者および県庁所在地から遠く離れた土地に住んでいる(気の毒な)人たち 3 「ビザは隣国で取れ」というのは原則だが、仲が悪い国同士だと簡単にはいかない。ケニアでタンザニアのビザはなかなか取れなかった。ケニアとタンザニアの関係史をきちんと話…

1665話 「旅行人編集長のーと」に触発されて、若者の旅行史を少し その13

地方在住者および県庁所在地から遠く離れた土地に住んでいる(気の毒な)人たち 2 どこに住んでいようと、旅行情報が手に入り、航空券が手に入るようになったのは、インターネット時代に入ったここ10年か15年くらいだろうか。パソコンを使って、自宅で世界の…