2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

1551話 本の話 第35回

『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』(湯澤規子、ちくま新書、2020)をめぐって その2 この新書の47ページに、「『下肥』利用が日本だけに限った技術ではなく、イギリスで同様の技術と利用が存在していたことが徐々に知られるようになった」として、三…

1550話 本の話 第34回

『ウンコはどこから来て、どこへ行くのか』(湯澤規子、ちくま新書、2020)をめぐって その1 やっとこの本のことが書ける。昨年10月に出て、すぐ読んだ。このコラムの年末年始の年またぎで「ウンコ」の話はふさわしくないかと思っている間に食べる話を一応…

1549話 本の話 第33回

考古学の本から その4 佐原さんが存命中に作った最後の本、『考古学今昔物語』(坪井清足・金関恕・佐原真、企画・編集:むきばんだやよい塾実行委員会、発行:文化財サービス、2003)を手に入れた。この本は、著者3人が講演し鼎談して作った本で、日本にお…

1548話 本の話 第32回

考古学の本から その3 注文していた『騎馬民族は来なかった』(佐原真、NHKブックス、1993年)が届いた。この本を含めて佐原さんの本は数冊読んでいるはずだが、記憶がほとんどない。ただ、江上波夫が唱えた「騎馬民族征服王朝説」の反論として、日本に家畜…

1547話 本の話 第31回

考古学の本から その2 P28・・・ニワトリ ニワトリはタマゴ目当てに飼っていたのではなく、朝の時刻を知るためだという宮本常一の説を、渋沢栄一編の『絵巻物による日本常民生活絵引』を引用して紹介している。おそらく、研究者の間ではよく知られた情報な…

1546話 本の話 第30回

考古学の本から その1 先に紹介した『おにぎりの文化史』の参考文献に、『食の考古学』(佐原真、東京大学出版会、1996)が出ていた。一部は食文化研究誌「VESTA」で読んでいるが覚えていないので、この際に読んでみようと思った。佐原さんの講演は小さな会…

1545話 本の話 第29回

『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』(光瀬憲子) その9(最終回) 台湾の料理の話は、まだまだ続けられるがキリがない。一応、今回で最終回としよう。 ◆炸牛蒡(ザーニューパン、ゴボウ揚げ)・・・ゴボウに魚のすり身を巻き付けて揚げた料理を…

1544話 本の話 第28回

『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』(光瀬憲子) その8 話はまだ続く。 ◆陽春麺(ヤンチュンミェン、シンプルな具なし麺)・・・初めて台湾に行ったときは、少ない旅費で食い伸ばそうと考えていたから、安いものしか食べていない。魯肉飯や油飯…

1543話 本の話 第27回

『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』(光瀬憲子) その7 書きたいことがいくらでもあるので、もう少し続けます。 ◆台鐵便當(タイティエビェンタン、駅弁)・・・私が初めて見た台湾の弁当は、鉄道ではなく長距離バスのターミナルで売っていたも…

1542話 本の話 第26回

『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』(光瀬憲子) その6 台湾料理話、まだ続く。 ◆猪油飯(ズーヨウファン、ラードかけご飯)・・・炊き立てのご飯にバターをのせて、醤油をちょっとかけた飯のように、液体のラードを飯に振りかけ、醤油で味をつ…

1541話 本の話 第25回

『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』(光瀬憲子) その5 台湾料理の話はまだまだ続く。 ◆魷魚焿(ヨウユーゲン、イカあんかけスープ)・・・焿とはなんだ? もう20年以上前になるが、この語を中国語辞典で調べたのだが、載っていない。旅行者用…

1540話 本の話 第24回

『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』(光瀬憲子) その4 引き続き、この本で紹介している料理に関するコメントを書いていく。 ◆胡椒餅(フージャオピン、胡椒味の肉入り焼きまんじゅう)・・・台北駅とその南の二二八和平公園との間は本屋街でも…

1539話 本の話 第23回

『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』(光瀬憲子) その3 この本にでてくる料理にまつわる思い出や感想や雑学を書き出してみよう。見出し語の中国語の料理名・その発音のカタカナ表記・日本語訳は、この本の表記をそのまま採用する。 ◆虱目魚粥(…

1538話 本の話 第22回

『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』(光瀬憲子) その2 幸せなことに、食文化の本を数多く書いている民族学者の石毛直道さんと雑談をする機会が、いままで何度もある。あるときこんな質問をした。 「食べ物だけを判断基準に、ある国で1年暮ら…