954話 イベリア紀行 2016・秋 第79回

 小ネタ雑談 その2


歩きタバコ スペインでは店内禁煙である。喫煙コーナーなどないから、タバコを吸いたければ、店の外に出る。カフェテラスを利用するか、店先の小さなテーブルに、ワインやビールを持ち出して、立ち飲みバーにして、タバコを吸う。そういう余裕のない人が、街頭立ちタバコや歩きタバコをする。バルの前で吸っているのはおっちゃんが多いのだが、歩きタバコや公園で一服という人は、私の観察では7対3で女の方が多い。年齢は、20〜30代が多い。
 スペインのタバコ価格は4〜5ユーロくらいだから、北欧ほど高くはないが、タバコが安い国でもない。それなのに、路上で眺める限り、喫煙者が多いように見える。経済事情が良くないにもかかわらず、喫煙者が多いように思えるのだが、これには裏があるのかもしれない。ひとつは、外国人が持ち込む免税タバコだ。バルセロナマドリッドの観光客密集地区なら、タバコを吸っているのがスペイン人とは限らない。こういう合法的免税タバコよりもはるかに多いのが、密輸タバコらしい。ヨーロッパに密輸されてくるタバコの情報はいくつもあるが、ポルトガルの例が、これ。
http://www.recordchina.co.jp/b59606-s0-c30.html
 思い出に残る歩きタバコのシーンが2例ある。
 右手で乳母車を押し、左手で幼子の手を握り、くわえタバコ。灰が乳母車の赤ん坊に落ちそうで怖かった。
 プラド美術館前のパトカー。その脇でサングラスの女性警官が、小銃を構えて立ち、くわえタバコ。渡哲也か。
■歩きスマホ 地下鉄の車内でも駅構内でも、日本と比べればスマホを手にしている人が少ない。日本の大都市と比べれば、通勤時間が短いという違いも、関係しているのかもしれない。
 歩道で、歩きスマホの例を何度か確認し、そのたびに、いったいどういう画面を見ているのか知りたくなって、すれ違いざまにチラと覗き見すれば、地図を見ていることがわかった。観光客に限らず、未知の地に行くには、スマホの地図は大いに役に立つのだろう。私はまだミシュランの区分地図を使っているが、デジタルの地図の便利さは認める。ただし、せめてA6、できればA5くらいの大きな画面でないと、見にくいだろう。
 横断歩道で信号待ちをしているとき、隣りに立ったOL風の人は電子書籍を読んでいるようだった。そして、右手でポケットからスマホを取り出し、画面を眺め、右手親指でなにかの作業をしている。デジタル機器の二刀流だ。そういう機械を1台も持たない私には無縁の行為だ。
■道路名 散歩中でも、スマホの地図があれば、地図上の現在地がわかる。しかし、それが現実の場所でどこなのかは、現実の道路名を確認しないと、目的の方向へ散歩が続けられない。私は印刷物の地図を見て、「今、D通りとM通りの交差点にいるから、D通りを直進して2ブロック行き、右折」などと確認してから散歩を続けている。いい地図と道路表示板があれば、ある程度思い通りに散歩ができる。
 そこで、いつも考える。日本に来た外国人は、日本の道路に名前がついていないという現実が受け入れられるだろうかということだ。たぶん、「信じられない!」と驚愕するだろうし、地図をもとに目的地を探す方法を考えあぐんでいるに違いない。日本人しても、道路名があれば、「○○通りを進み、△銀行を過ぎて右折して・・・・」と教えやすいし、覚えやすい。住宅地の狭い道路は後回しにしても、街の主要道路には名前をつけた方がいい。