1135話 ダウンジャケット寒中旅行記 第19話

 いつものように映画三昧 中編

 翌日も、見たいと思ったもう1本のスペインの映画を見にソルの映画館に行くと、「その映画は、昨日で終わりました」。私はスマホを持っていないが、ソルやグランビアあたりの映画館マップは頭に入っているので、グランビアのCines callaoに行ってみると、ちょっと時間をつぶせば、その映画を見ることができるとわかった。
 “El cuaderno de Sara”(サラのノート)の舞台は、アフリカだ。サラとローラという姉妹の物語なのだが、どちらが姉か妹かわからない。行方不明になっていたサラの存在が、偶然にわかった。アフリカの軍事組織を取材していたジャーナリストが隠し撮りをした写真にサラが映っていたのだ。ローラは撮影者を訪ね、撮影地に行って、サラを救出しようと考える。まず向かったアフリカは、ウガンダカンパラだ。私が知っているカンパラとはまったく違った街に生まれ変わっている。この街で情報を集めて、森に入る。少年を誘拐して兵士にするというシーンがあって、悪名高きウガンダの少年兵を扱った映画化と思ったら、兵隊たちはフランス語でしゃべっていて、どうやらコンゴとの国境近くも範囲に入っているらしい。
 ガイドの少年を連れて、ローラは森に入り、村に入り、サラを探す。私の能力では、NGO職員のサラは誘拐されたのか、それとも同行を志願したのかはわからない。ローラは軍につかまり、そこでサラと再会する。そして脱出作戦が展開されるのだが、サラは殺され、ローラだけが救出された。手には、サラが書いたノート持を持っていた。
 細かいことはわからない。戦争アクション映画ではないが、戦闘映画が好きな人には魅力かもしれない。
 予告編は、これ。スペイン語だが、ネット情報は多い
https://www.youtube.com/watch?v=brjhVjts4SA
 映画館はどこも「シェイプ・オブ・ウォーター」の上映に力を入れていた。アカデミー作品賞受賞前だが、前評判の高さはわかった。

 前回中古DVDを買った店は宿のすぐ近くにあったのだが、今回探したら閉店していた。がらんとした店内に、ただDVDを並べていただけだから、転業は1時間でできる。仕方がないので、散歩をしながら中古DVD屋を探した。1軒だけ見つけたが、どうやらプレミアがつくような名作でかつ入手難のDVDらしく、けっこう高い値段がついていた。おもしろいとわかっていれば買えない値段ではなかったが、内容がまったくわからないので買わなかった。
 アルカラ・デ・エナーレスを散歩していたら、中古のレコード、CD、DVD屋を見つけた。DVDは1枚2.95ユーロ。DVDの山と格闘しても、こちらに知識がないのでどうにもならない。うまい具合に、「どういうDVDをお探しですか?」と店員(あとで、店主のひとりらしいとわかる)が声をかけてくれた。
 「スペイン映画。できれば英語の字幕があるもので、ホラーとバイオレンスはいらない。そういうのを数枚欲しいんです」
 「それでしたら、時間をいただけますか。もうひとりの経営者が来るまで手が離せないので、1時間ほどしたらまたきていただけますか?」
 というわけで、1時間半ほどかけて夕食をとって、その店に戻った。
 彼女が選んでくれた3本のタイトルだけ書いておく。興味がある人はネットなどで調べてください。
“Reinas”
https://www.youtube.com/watch?v=uC2h3I-XKVY

“el efecto MARIPOSA”(ホラーはいらないと言ったのに・・・)
https://www.youtube.com/watch?v=9sAU7RkGHAk

“Lagrimas negras”(アクセント記号省略)。
https://www.youtube.com/watch?v=J7pqpiLo5L4
 「この『黒い涙』は、古いキューバに同名の歌があるんだけど・・・」というと、「それとはまったく関係ないと思いますよ」とのことだったが、映画には登場する。「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」でも歌われたのはこの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=or78iiexGsk
 こういうバージョンもある。スタンダードナンバーだ。
https://www.youtube.com/watch?v=tozhe0yTAqo


 これは、ご近所の名作映画館、”Filmoteca Espanola Cine Dore”だが、上映作品と上映日が私のスケジュールに合わず、一度も入ったことがない。