乗り物の話 その4 プラハを走るトラム
帰国して、「もっとプラハを見たかった」と残念に思うことは多い。心残りで帰国する旅行者とそう思わせる街は、それはそれで幸せな組み合わせなのだが、こうしてプラハに関することをいろいろ調べていると、あらためて「もっと見たかったなあ」とつくづく思う。トラムと地下鉄巡りは少しはやったが、まだまだ足りない。トラム全線完全乗車や地下鉄駅見物などをやりたかった。ある程度そういう見学散歩をやるのには10日ほど必要なのだが、プラハでの滞在時間を、トラムと地下鉄の調査に費やすという気にはなれなかった。私は旅をしたいのであって、調査や取材はしたくなかった。
というわけで、今回は、散歩をしているときに見かけたトラムが走るプラハの風景を紹介する。撮鉄(とりてつ)ならぬ撮トラムというマニアなら、どこに行けば「絵になる風景」が撮れるのか調べるのだろうが、私の場合は、散歩の途中の、「たまたまの出会い」だ。撮影地はすべて記憶しているが、説明は省略する。林の中を走る写真も、撮影地はいずれも、ガイドブックの地図の「プラハ中心部」に入る地区だ。