食べる話 その8 買いたかった
このコラムでリーガの話を何度も書いているからだと思うが、アホのYahooから、サッカーのリーガ・エスパニョールの配信広告のメールが来た。もちろん配信を希望したことはない。得意の、嫌がらせである。いちいち配信停止の手続きをしないといけないのが面倒だ。
さて。
リーガの市場を見学していて、「ああ、買って帰りたい」と思ったのはスモークサーモンだ。日本でももちろん売っているのだが、燻製臭さが弱い。生魚じゃなくどうせ燻製を買うのなら、いかにも燻製臭い方がいいと思うのだが、それがどの程度なのかレストランなので食べたことがない。ニシンの酢漬けは、まあいい。いままで何度か食べているが、そううまい物じゃないし、成城石井やカルディにもあるだろう。買って帰るなら、やはり燻製だ。
スーパーに行ったら真空パックがあるかもしれないと思った。すると予想通りあったのだが、市場で見た燻製ほどのつやがない。うまそうじゃない。日本で売っているスモークサーモンと同じで、まるで生かと思えるような姿だ。すぐに飽きるかもしれないが、市場で見かけたような、いい意味で、とてつもなく臭そうな鮭の燻製を食べたい。
それならば、生ハムにしようかと思ったが、ラトビアでスペインの生ハムを買うことはないし、成田で見つかれば没収だ。その危険を冒したくなるほど安いわけじゃない。
それじゃ、チーズにするかと思って売り場を点検すると、いちばんうまそうで安いのは、ウチの近所のスーパーで売っているゴルゴンゾーラチーズで、一気に買う気を失い、酢漬けのニシンや鮭の燻製も生ハムもチーズも買わなかったから、成田の税関でいつものとおり品行方正な旅行者でいられた。
燻製の鮭が目に入った。うまそうだ。
これはサバだ。パプリカを挟んだようだ。これもうまそうだ。
燻製は、これくらい濃い風味付けをしてほしい。
鮭とその子のイクラ。1キロ700円と1200円。写真上のサンマのように見えるものの正体を確認しなかったことを後悔する。
生の魚ももちろんある。ラトビアは海に面している国だが、鯉が目についた。
キャビアとニシンの酢漬けの間に、海藻?
ネット上には、「海藻を食べるのは日本人だけ」といったウソ情報が流布しているが、それは違うことは知っている。しかし、ラトビアの海藻事情を何も知らない。残念ながら、市場のおばちゃんは英語をしゃべらないし、外国人の好奇心につきあうヒマもない。だから、ラトビアの海藻はなぞのままだ。ご存知の方がいれば、情報をお知らせください。
海藻の次は、イワシの丸干し。この干物をどう料理するんだろう? 1キロ2200円はイクラよりも高い。