ビートルズ、そしてローリング・ストーンズ
例によって、ユーチューブ遊びをしていた、といっても最近の話ではなく、もうだいぶ前のことだ。
“The Beatles full album”と、リストに上がっているのを見つけた。ビートルズのレコードを詳しく知らないので、インターネットでビートルズのレコードリストを出して、発売順にユーチューブで聞いていった。すぐ削除されるのはわかっているから、その日の午後はリストにのぼっているすべてのビートルズを聞いて過ごした。私はビートルズファンではないから、現在に至るまで、レコードもCDも買ったことがない。
「女の子がワイワイガヤガヤ」という初期の時代はおもしろくない。ロックンロールを聞くなら、チャックベリーやリトル・リチャードを聞いたほうがいい。
そうやって聞いていって、まったく知らない歌は半分もなかった。ラジオで、レコード1枚全部放送なんていうのもかつてはあったから、聞いたことがある歌が多かったのだろう。いや、たぶん違う。知らない歌はもっと多いが、聞いてすぐにビートルズだとわかる音だから、初めて聞くのに知っていると判断したのかもしれない。
私が好きな曲は、こういうのだ。「みなさん、よくご存知の有名曲」だが、順不同に、いくつか。
In my life
Across the universe
A day in the life
Golden slumber
She’s leaving home
Strawberry fields forever
Here,there and everywhereなど
ビートルズと違ってローリング・ストーンズは、初めから割と気に入っていた。黒人音楽志向がより強かったからだと思う。でも、やはり、LPもCDも買わなかった。テレビでは、コンサート映像はよく見るようになったここ数年、「カッコいいなあ」と思うようになった。
Sympathy for the devil
Street fighting man
Jumpin’ Jack flash
Brown sugar
Start me up
これらも充分に怪しい雰囲気の曲だが、悪魔の世界に誘うような音をより強く出しているのが、これだ。
Gimme shelter
怪しいイントロに感動して、best盤を買った。生まれて初めて買ったロックのCDで、数年前のことだ。ユーチューブでGimme shelterのライブを聴き比べた。女性歌手が入るのが慣例になっているこの曲の、最上の女性歌手は、レディー・ガガが入っているコンサートだ。しかし、映像は素人の隠し撮りで揺れている。当然、音も悪い。それでも、ステージの出来はすばらしくいい。正規録音のCDはないかと探してみた。これは、アメリカ・ニュージャージーで行なわれた”One More Shot”というコンサートで、同名のDVDとCDが発売されていることがわかったが、アマゾンへの出品はない。通販サイトにはあるが価格の差が大きい。世の中が平和になれば、ディスクユニオンで探して見ようと思う。DVDにしようか、CDにしようか。
*上の文章を書いてからしばらくたって、youtubeをまたチェックしたら、このステージの音声だけがきちんと入っているものがあげられている。CDからのコピーだろう。映像も音声も、いつまであるかわからない。
私の感覚では、ストーンズは「飛び切りカッコいいバンド」だと思う。パフォーマンスというよりも、私には音だ。で、考えたのは、こういうカッコよさはじーさんバンドのもので、今の若者は音のカッコよさは求めないのか、あるいは現在人気のバンドや歌手は、若者にとってカッコいいのかなどと考えた。60年代のR&Bグループは、スーツ姿で揃ってステップを踏むというのが、彼らの「カッコよさ」だったのだろう。白人のバンドはそういうのをダサいと感じて、長髪でラフな服装をした。歌手やバンドが考えるそれぞれのカッコよさは、パンクあたりで終わったのだろうか。いや、パンクはパンクなりの、アイドルはアイドルなりのカッコよさを求めたはずだ。音楽とステージのカッコよさの変遷をしばし考えた。