図書購入台帳 その3
1968年に買った本の一部がこれだ。
『世界の料理』(西岡秀雄)。内容の記憶ナシ。本格的に世界の料理を視野に入れた本が出るのは、1970年代の翻訳書『タイムライフ 世界の料理』を経て、1980年代に刊行が始まる「朝日百科 世界の食べもの」まで待たなければならない。著者の慶大教授は食べる話と出す話に興味があったらしく、『味で探る世界の文化』(1990)などと同時に、『トイレットペーパーの文化誌』(1993)や『絵解き 世界のおもしろトイレ事情』(1998)などを書いているのだが、漫談の域を出なかった。
『正続 南ベトナム戦争従軍記』(岡村昭彦)
『ヨーロッパの味』(辻静雄)。内容の記憶はあるが、私には縁のない料理の数々。
『ソ連・なんでも聞いてみよう』(ノーボスチ通信社)。あのころソビエト関連の本を何冊か読んでいるが、共産主義に共鳴したわけではまったくなく、いろいろ隠している国の内情を知りたいとちょっと思っただけだ。
『世界の旅』(阿川弘之)。『世界の旅』全10巻(中央公論社、1961)のうちの第1巻
「日本出発」編。30年以上のちに、日本人の海外旅行体験の資料としてほかの巻も買うようになった。そのとき、この第1巻をまた買っている。昔買ったことは忘れていた。もし覚えていたとしても、蔵書からその本を探せないのだから、同じことだ。
『裸足の王国 日本女性アフリカ駐在記』(福本昭子・松本真理子)。エチオピアで宮廷女官になった日本人の滞在記。光文社のカッパブックスは、当時、この手の非欧米世界の滞在記・冒険記を何冊か出していた。
『外国拝見』(門田勲)。著者は朝日新聞社の有名記者。
『ふうらい坊留学記』(ミッキー安川)。版元や書名を変えて売れた留学記。売れた理由のひとつは、ゴーストライターの腕前のおかげだろう。
『南極越冬記』(西堀栄三郎)。晩年の著者は、なぜか統一教会に近い行動をしていた。
『未開民族を探る』(吉田禎吾)。現代教養文庫の1冊。この時代、カッパブックス、教養文庫、中公新書&文庫などに、非欧米モノがいくらでも出ていた時代だった。もう少し時代が下ると、NHKブックスもそのラインアップに加わる。「探検と冒険の時代」だったとわかる。『朝日講座 探検と冒険』全8巻の刊行は、1972年。古本屋で見つけたら1巻ずつ買っていたが、第1巻「アフリカ」を買ったのは、与論島の朝日新聞販売店だった。1975年春、与論高校の建築工事をしていた。
『カナダ・エスキモー』(本多勝一)。『ニューギニア高地人』や『アラビア遊牧民』同様、記憶に残っているのは食生活に関する記述だ。
『アフリカの魔法医』(本田一二)
『海外特派員』(青木正久)。元東京新聞特派員。退職後、自民党国会議員。
『アフリカ大陸』(今西錦司)。ここで紹介している外国モノの多くは、海外旅行自由化以前に特別の許可を得て出国している著者によるものだ。
『知られざる大地』(アルダン・セミョノフ著、加藤九祚訳)。極北探検家の生涯。寒い土地に行きたいとは、もちろん思っていないが・・・。
『夜間飛行』(サン・テクジュペリ著、堀口大學訳)。『星の王子さま』ではないのが、のちの旅行ライターらしい。