BSNHKで随時放送している「世界のドキュメント」は割とよく見ている。「見たい」と興味を持った作品で、「なんだ、これは!」と失望した記憶はないから、どれも我が基準の平均点は超えているということだろう。
8月に放送した「地球温暖化はウソ? 世論を動かす“プロ”の暗躍」というタイトルのデンマークの作品が印象に残った。
舞台はアメリカ。「地球温暖化などウソだ」と主張する人々の背景には、エクソン・モービルをはじめとする石油メジャーがいることは容易に想像がつくが、石油会社からカネをもらった言論人はマスコミでどのような主張をしてきたのかという検証をしている。
「植物は二酸化炭素を吸って育つ。だから、二酸化炭素を大量に吐き出すと、地球の緑化に大いに役立つ」などといった主張だ。こういう主張をする人は科学者ではない。科学の知識など必要ないのだ。大衆は正しい説を期待しているのではなく、わかりやすくおもしろい話を聞きたがっているのだというのが、彼らの主張だ。科学者が具体的な数字や統計や論文をあげて反証しても、テレビを見ている人には退屈なだけだという主張は、よくわかる。これを英語では“Trump”というのだろうし、日本語では「安倍」など何人もの顔が浮かぶ。
あるいは、血液型性格判断とか姓名判断といったものが、科学的にいかにインチキかと解説したところで、信じ込んでしまった人には「真実」など無意味なのだということにも似ている。だから、おもしろい話や分かりやすい話は危険なのだ。という具合に、いろいろ連想させてくれる。
幸運にも、この番組は再放送されるから、内容の詳しい紹介はしない。9月6日(月)午後3:05ほか 放送予定へ 。
上記のドキュメント番組は録画しておいて見たのだが、見た後「再度見ることはないな」と思い削除した。録画したほとんどの番組は見たあと削除してしまうが、映画の場合は、半分くらいは見てすぐ削除するが、残りの半分はしばらく保留して、「DVDに録画しておくか」ということになる。できればブルーレイにしたいのだが、デッキのブルーレイが読み取り不能になっているので、しかたなくDVDを使っている。家電量販店に行くと、ここ数年で売り場の重要度がDVDからブルーレイに移っているような気がする。
問題はここからだ。「削除するには忍びない」と思える佳作名作あるいは「一応資料として」という映画まで録画して保存しているのだが、実は見直すことはほとんどない。つい先日、珍しく見直したくなった映画があったので棚のDVDをチェックしたら、雑誌の紹介記事は挟んであったが、DVD本体はなかった。おもしろい映画だったので、友人にあげたのだと思う。
録画しても見直すことが少ないという思いが強まり、最近は「録画しておく」という基準が高くなり、「これは、いいや」とHDDから削除することが多くなった。だから、ブルーレイ対応デッキに買い替えようとは思わないのだ。
ついでだから、オーディオの話もしておこうか。2年前に買ったDENONのCDデッキが壊れた。トレイの開閉ができなくなったのだ。修理を依頼すると1万5000円くらいしそうで、それなら前々から欲しいと思っていたビクターのウッドコーンスピーカーのコンポを、「この機会だから」と買ってしまった。CDデッキも新しくなった(すでに生産終了製品だが)。
で、音がどうだったかといえば、30年使ってきたパイオニアのスピーカーの方がいい音かもしれない。ウッドコーンスピーカーのすばらしさは、神田三省堂本店の入り口で時々デモンストレーションをやっていたビクターEX-B1の音に驚いたのだが、高い。むかし、新品で30万円弱だった。で、「もっと安いのを」ということで買ったのは、悪い音ではないが、30年落ちのパイオニアを越えなかった。しかし、このパイオニア、ベースのソロのような重低音になると音が割れることがあるので、スピーカーも買い替えようと思ったのだ。
CDやDVDデッキのトレイの不具合は、Youtubeに修理方法がいくつか出ているが、多分、私の腕では無理かもしれない。我が家のDVDデッキだって、ブルーレイを読み込まないから、蓋を外して、ブルーレイ用のレンズを磨けばいいのだろうが、壊したらDVDも使えなくなる。そうそう、ブルーレイを読み込まない場合の対処法をネットで調べると、「掃除用のディスクを入れろ」というのが多いのだが、ブルーレイを読み込まないのだから、掃除用ディスクも受け付けず、「ディスクを入れてください」という表示が出るのだ。