2236話 日本人の海外旅行史 18

 かつて、日本のテレビではこれほどの量のアジア映画が放送されていた時代があったことをさまざまな媒体で書き残しておく必要がある。韓国エンタメファンも、この時代のことをほとんど言及しないのだから。

1988 1 円相場が1ドル=120円でスタート。

   1 文部省が、修学旅行での飛行機使用や海外旅行を認める見解を発表。

     3 上海郊外で鉄道事故。修学旅行中の高知県の高校生28人死亡、負傷者104人。

       4 タイ国際航空とタイ航空が合併。

      4 東亜国内航空日本エアシステムと改称。7月に初の国際線定期路線として成田・ソウル線開設。

   4 日本の国内短距離線で、全席禁煙便の運行が始まる。

   6 ローマで日本人添乗員がひったくりに襲われ死亡。

   7 JR西日本が韓国鉄道庁と協力し、大阪発ソウル行き(関釜フェリー使用)の切符を、戦後初めて販売。

  10 インド航空機がインドで墜落。日本人3名を含む130人全員死亡。

  12 日本人はアメリカ観光・商用ビザ不要に。

中国の養毛剤「101」が話題になり、中国みやげとして急に人気が出た。映画「香港パラダイス」(1990)に、ニセ物「101」の話題が出てくる。

ソウルでオリンピック開催。その影響で、数年前から韓国関連のテレビ番組や出版物が増えている。

出版:『カセットショップへ行けばアジアが見えてくる』(篠崎弘)/『ゴーゴー・アジア』(蔵前仁一)/『エビと日本人』(村井吉敬)/『ソウルの位牌』(飯尾憲士)/『東南アジアの日常茶飯』(前川健一)/『インド花綴り』(西岡直樹)/『グランド・ツアー』(本城靖久)/「遊星通信」(蔵前仁一編集兼発行人)創刊 /「HANAKO」(マガジンハウス)創刊。女性誌が旅行雑誌の側面も持っていたのは、「アンアン」「ノンノ」の時代から続いていたが、このころから次第に、女性誌が欧米だけでなくアジアへの旅行を扱うようになるととともに、アジアの料理や雑貨なども紹介するようになってきた。

映画:「海へ see you」(高倉健)。パリ・ダカールラリーが舞台。/「グレート・ブルー」(仏・伊 ジャン・レノ)。まったくの不入りだったが、92年に「グラン・ブルー / グレート・ブルー完全版」として公開すると大人気に。

*「大インド映画祭」で、25本のインド映画を上映。インド映画祭は83年や85年にも開催。

TV:「成田離婚」(草彅剛、フジテレビ)。10月から12月に放送されたこのドラマが話題になり、新婚早々離婚することを成田離婚といい流行語に。/ 海のシルクロード」(NHK)。89年にかけて、12回放送。/「クイズ 世界はSHOW by ショーバイ」(日本テレビ ~93)。ここ数年、海外取材バラエティーが増えた理由は、バブル経済のせいで製作費が潤沢にあるという理由のほか、世界各地に日本人取材コーディネーターが事務所を構えてきたというのも理由のひとつだろう。従来ほとんどなかったアジアでのCM撮影も盛んになってきたのも同じ理由。いずれも、バブル崩壊とともに、消えていった。

*NHKで「アジア映画劇場」放送開始(~2002)

 年代順にリストアップしてみる。見る気があれば、これだけの作品を自宅で見ることができた幸せな時代だったが、残念ながら私は半分も見ていない。貴重さに気がついていなかったのだ。録画したVHSテープは処分した。

1988:「ジャングルの村」(スリランカ)/「渡河」(インド)/「蝶と花」(タイ)/

1989:「プエンとパエン」(タイ)/「離婚旅行」(韓国)/「野山」(中国)/「ナンプーは死んだ」(タイ)/「追いつ追われつ」(インドネシア)/

1990:「青春祭」(中国)/

1991::標識のない河の流れ」(中国)/「砂の手紙」(スリランカ)/「風の輝く朝に」(香港)/「ゴアの恋歌」(インド)/「悲恋の橋(サラシン橋心中)」(タイ)/「いばらのあぜ道」(マレーシア)/「旅人は休まない」/(韓国)/「追憶」(インドドネシア)/「林商店(林家舗子」(中国)/

1992:「胡同模様」(中国)/「童年往時・時の流れ」(台湾)/「追われし者の挽歌」(韓国)/「黄色い大地」(中国)/「サラワクの息子」(マレーシア)/「十月になれば」(ベトナム)/「おはよう北京」(中国)/「サイクリスト」(イラン)/「北京の思い出」(中国)/「希望の行方」(インド)

1993:「チンスとマルス」(韓国)/「バジュー 小さな異邦人」(イラン)/「大河のうた」(インド)/「ロック事件」(中国)/「勇者の道」(タイ)/「鯨とり コレサニャン」(韓国)/「レイハネ」(イラン)/「黒いサボテン」(ベトナム)/「パシコムおじさん」(インドネシア

1994:「マニラ 光る爪」(フィリピン)/「女児楼」(中国)/「カップ・ファイナル」(イスラエル)/「神様こんにちは」(韓国)/「心の香り」(中国)/「静かすぎる町」(ベトナム)/「追われた人々」(インド)/「黄昏のかなた」(香港)/「希望」(トルコ)/「魯冰花(ルーピンファ)」(台湾)/「タクシー」(インドネシア

1995:「われらが歪んだ英雄」(韓国)/「青島アパートの青春」(中国)/「チャルラータ」(インド)「キルソドム」(韓国)/「光陰的故事」(台湾)/「黒薔薇VS黒薔薇」(香港)/「枷(かせ)」(モンゴル)/「ウェディング・バンケット」(台湾)/「風の丘を越えて 西便制」(韓国)/「春桃(チェンタオ)」(香港、中国)/「いとしのハニーちゃん」(トルコ)

1996:「つきせぬ想い」(香港)/「香魂女 湖に生きる」(中国)/「ナルゲス」(イラン)/「魔法使いのおじさん」(インド)/「哀恋花火」(中国)/「三つの宝石の物語」(パレスチナ、英、西)/「天使の手紙」(インドネシア)/「北京好日」(中国・香港)/「あの島へ帰りたい」(韓国)/「遠い雷鳴」(インド)/「オリーブの林をぬけて」(イラン)/「暗戀桃源境」(台湾)

1997:「麻花売りの女」(香港・中国)/「サラ」(イラン)/「恋する惑星」(香港)/「恋恋風塵」(台湾)/「女人、四十。」(香港)/「ディープ・ブルー・ナイト」(韓国)/「青空がぼくの家」(インドネシア)/「クローズ・アップ」(イラン)/「愛情萬歳」(台湾)

1998:「コーカサスの虜」(カザフスタン・ロシア)/「息子の告発」(香港・中国)/「離れの客とお母さん」(韓国)/「上海ルージュ」(中国)/「ニャム」(ベトナム)/「君さえいれば 金枝玉葉」(香港)/「サカイ」(フィリピン)/「正義の行方」(中国)/「かさぶた」(イラン)/「灼熱の屋上」(韓国)/「マン・オブ・ザ・ストーリー」(インド)/「草原の愛 モンゴリアン・テール」中国・香港)

1999:「夜半歌聲 逢いたくて、逢えなくて」(香港)/「祝祭」(韓国)/「遥かな旅」(ベトナム)/「南から来た少年」(イラン)/「月夜の願い」(香港)/「人生は琴の弦ように」(中国)/「運命からの逃走」(タイ)/「戦争の後の美しい夕べ」(カンボジア)/「接続 ザ・コンタクト」(韓国)/「過ぎこしの祭」(イスラエル)/「I WISH・・・」(ウズベクスタン)/「推手(すいしゅ)」(台湾)

2000:「そこに光を」(トルコ)/「變臉(へんめん)この櫂に手をそえて」(中国)/「桜桃の味」(イラン)/「上海グランド」(香港)/「八月のクリスマス」(韓国)/「歳月」(ベトナム)/「スパーシー・ラブ・スープ」(中国)

2001:「ラヴソング」(香港)/「榕樹(ガジュマル)の丘へ」(中国)/「玻璃の城」(香港)/「運動靴と赤い金魚」(イラン)/「ラン・フォー・マネー」(トルコ)/「太陽は、ぼくの瞳」(イラン)/「熱帯魚」(台湾)

2002:「桃源境」(中国)/「石油地帯の子たち」(イラン)