ステレオの右スピーカーが低音音割れがあり、そこそこのカネを投じてウッドコーンスピーカー(ただし小型)に買い替えたのだが、数年前。想像していた通り、やはり低音は物足りない。サブウーファーを買おうかと思ったが、でかいからジャマだ。それで、しばらくガマンしていた。ある日、ふと、元のスピーカーに戻してみたら、音割れがなくなっている、そのまま数年使ってきたが、数日前に今度は左スピーカーが低音音割れ。また、ウッドコーンスピーカーに戻した。音は良くなったが、低音が寂しい。ジャズのピアノトリオを聞くには、ベースの音がちゃんと聞こえないと・・・。サブウーファーを置くと、家じゅう震えるしなあ。パソコン用の小さなサブウーファーを買うか。
さて。
ソローの著作は、いまでいうアウトドア・ライフに興味を持つ者の登場を招いた。野山を歩くには、荷物は背負った方がいい。ドイツ語でrucksack(ルックザック)は「背・袋」の意味だから、そのまま英語に翻訳してbackpackと呼ぶバッグを使うようになった。英語でbackpackerは狭義には、リュックを背負ってハイキングやトレッキングや山登りなど(backpacking)をする人のことだ。英語の本ではこういう本が次々に出てくる。その名も”BACKPACKER”という雑誌は、こういう表紙でわかるようにアウトドア雑誌だ。
したがって、バックパッカーを考えるとき、こうした狭義の旅行者と、都会の安宿で沈没していたり、ビーチでパーティーを楽しんでいるような広義のバックパッカーもいるということを考えないと、バックパッカー論は書けない。
リュックを背負って野山を歩き、キャンプする人たちが増えていったのは、思想的にはソローの影響が大きいだろうが、実践的なガイドという意味ではジョン・ミューア(1838~1914)の名をあげておかないといけない。彼の名を知ったのは、『森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア』(加藤則芳、ヤマケイ文庫、2012)だった。ゴールラッシュの影響で乱開発が危惧されるカリフォルニアの森の再生と保護運動を推進した植物学や地質学に詳しい作家で、山歩きのルート整備や紹介などをした。彼の功績をたたえて、カリフォルニアのヨセミテ山中340キロを歩くジョン・ミューア・トレイル(通称、JMT)が作られた。自然は保護するだけではなく、安全に楽しむ場所と考えた。その結果、リュックを背負って山を歩く人たち(バックパッカー)が増えていった。
ソロー、ジョン・ミューア、ヒッピーの関係を考え始めたのは2000年代初めだが、つい先日、書名は知ってはいたが読んでいなかった『バックパッキング入門』(芦沢一洋、山と渓谷社、1976)を手にした。その第1章「成り立ちと背景。バックパッカーの誕生」で、20ページほどにわたり、このブログで私が書いてきたようなことがすでに説明されている。ソロー、ジョン・ミューア、ヒッピー、バックパッカーという私が考えていた構図が、資料を使って説明されている。この20ページほどを読めば、アメリカのバックパッカー史は把握できるのだが、気になるのは、20世紀初頭にドイツで誕生したユースホステルとワンダーフォーゲル活動との関係だ。アメリカではYMCAやYWCAなどがあり、ユースホステルはヨーロッパほどには活発な活動はしていないようだが、ワンダーフォーゲル活動がドイツからアメリカに伝えられたのかどうか資料を探したのだが、見つからない。英語の論文に、「ドイツのワンダーフォーゲル活動がアメリカに伝わった」という記述があり、その情報の出典を調べたら、「リンク切れ」になっていて、確認ができない。団体での山歩きがワンダーフォーゲル活動だとすれば、子供キャンプのような活動に影響があったとしても(これはボーイスカウトの影響だな)、個人で歩きたいアメリカ人たちには親しみはなかったと考えれば、ワンダーフォーゲルの影響はアメリカには及ばなかったといえるかもしれない。