「旅行を考える文章」をテーマに本を探していて、『旅学的な文体』(赤坂憲雄、五柳書院、2010)を読んだ。第1章「旅師たちの肖像」では、旅で学び、旅を学んだ人たちとその著作を紹介している。その文章は読書案内にもなると思いリストにしてみた。取り上げた人物で名前さえもまったく知らなかったのが、武田久吉と喜田貞吉のふたり。読んだことがあるのが4冊。気になって注文したのが『津軽三味線ひとり旅』だ。リストが長いので、旅に関する私の考えなどは、次回に書くことにする。なお下記のリストにある『 』は単行本、「 」は単行本内の一編。余計なお世話かもしれないとは思いつつ、読みにくい名前には、読み方を添えた。新村出(しんむら・いずる)、小田実(おだ・まこと)、埴谷雄高(はにや・ゆたか)のように、目だけで知っている人名は、会話の時に間違った呼び方をして恥をかくことがあるからだ。
深沢七郎・・・・・『風雲旅日記』
高橋竹山(たかはし・ちくざん)・・・・・『津軽三味線ひとり旅』
種田山頭火(たねだ・さんとうか)・・・『行乞記』
山下 清・・・・・『山下清 放浪日記』
柳田国男・・・・・「遊海島記」
河東碧梧桐(かわひがし・へきごとう)・・・『三千里』
木下杢太郎(きのした・もくたろう)・・・・・『五足の靴』
国木田独歩・・・『武蔵野』
永井荷風・・・・・『日和下駄』
武田久吉・・・・・「尾瀬紀行」*武田はアーネスト・サトウの次男
田山花袋・・・・・『温泉めぐり』
若山牧水・・・・・「みなかみ紀行」
折口信夫(おりぐち・しのぶ)・・・「沖縄採訪手帖」
太宰 治・・・・・・『津軽』
亀井勝一郎・・・『大和古寺風物誌』
きだみのる・・・・『気違い部落周遊紀行』、『ニッポン気違い列島』
岡本太郎・・・・・『日本再発見』、『日本の伝統』
柳 宗悦(やなぎ・むねよし)・・・『手仕事の日本』
宮本常一・・・・・『忘れられた日本人』
加藤秀俊・・・・・『北上の文化』
司馬遼太郎・・・「街道をゆく」から『白河・会津のみち、赤坂散歩』、『湖西の道、 甲州街道、長州路ほか』
網野善彦・・・・・『古文書返却の旅』