2124話 雑話 6

 ■「石破首相、辞任を発表」という誤報を出したのは読売新聞で、毎日新聞もおなじような誤報を載せたことがあった。もしも、これが朝日新聞誤報だったら、週刊新潮週刊文春などが狂喜乱舞猪突猛進の大騒ぎで「反朝日大キャンペーン」ができたのに、さぞかし残念だったでしょう。読売は、どういう報道をしても大して騒がれない大新聞というのは、当事者としてはうれしいのかどうか。元週刊文春の編集長花田紀凱(はなだ・かずよし)は、「反朝日の記事を載せると、売れるんですよ」と、営業右翼の発言をしていた。「反読売」では、ネトウヨは騒がない。売れないのだ。

 10月7日の自民党本部で、(高市総裁の)「支持率を下げてやる」と叫んだのは時事通信社のカメラマンだと判明したが、これも「朝日だったら、おもしろいことになったのになあ」と、新潮やフジサンケイグループネトウヨは思っているだろうなあ。

 ■「オールド・メディア」という語を使って批判活動をしている人は、「それなら、自分たちできちんと調べる」という方向には進まず、怪しいネット情報を鵜呑みにするか、その「オールドメディア」情報を聞き、見て、批判しているという奇妙な現実に気がついているだろうか。

 ■愛国心を訴え、排外主義的主張をする人たちの言動をいぶかしく思うことがある。沖縄で、米兵が女子高生を強姦したという事件に抗議している団体に突っ込んできた右翼街宣車がマイクでがなり立てていたのは、「この売国奴!」だった。右翼は、日本人ファーストである前に、もともとアメリカファーストなのである。

 反朝鮮・韓国、反中国の主張をする人たちが、韓国の宗教団体の支援を受けて国会議員になった自民党政治家に抗議しているという報道を知らない。安倍晋三は祖父の代(岸信介)から、統一教会と親密な関係にあり、その宗教団体が集めたカネが韓国に渡る手助けをしてきたのだが、自民党に対する「嫌韓デモ」が起きたという報道を知らない。安倍晋三は中国も北朝鮮も韓国も大嫌いだったが、利用できる力は利用するという現実主義者だった。

 「親米反共」という従来の右翼に対して、「反米反共」を主張したのが、新右翼とか民族派と呼ばれる人たちだ。その中心人物だった鈴木邦男の『天皇陛下の味方です』(バジリコ)の帯には、こうある

■どの程度男女平等なのかを示す「ジェンダーギャップ指数」は、わかりやすく言えば「男女格差ランキング」だ。148国中、そのベスト5は、アイスランドフィンランドノルウェースウェーデンニュージーランドだ。カナダは32位、アメリカは42位だ。アジアでは、フィリピン20位、タイ66位、ベトナム74位、ティモール86位、ラオス96位、インドネシア97位、韓国101位、中国103位、カンボジア106位、ブルネイ107位、マレーシア108位、そして外国人旅行者の「日本称賛」ばかり報道する日本は、118位。

 ■「軍隊を持つというのは、世界の当たり前の国と同じようにするということです」という人は、同じ論法で、「選択的夫婦別姓」や「死刑廃止」や「女性議員の数」とかを論じない。さまざまな立場の人が、自分の論理に自信がないと「これが、世界では当たり前です」、「どこの国だって、そうしています」という論法を持ち出す。こういう論法を持ち出すのは、右翼とか保守とか左翼といった政治思想に関係ないが、日本政府は上に書いた「ジェンダーギャップ指数」ランキングの日本の位置は、まったく気にならないらしい。。「2位じゃだめですか」発言を嘲笑した人たちは、世界118位を「問題あり」とは考えていない。

 ■横綱大の里の優勝を喜んでいる人は、大の里が日本人だからという理由があるだろう。白鳳が休場を繰り返したときは厳しく批判してきた人が、14年ぶりに日本人横綱となった稀勢の里が休場を続けていたときは沈黙していた。外国人が相撲を取るのが嫌いなら、初めから外国人の入門を禁止すればいいのだ。「さかのぼって5代前まで日本人の血しか入っていないと証明できる者だけが入門できる」と規定すればいいのだ。野球もサッカーも、日本人だけでやれば満足するだろうか。日本人が外国で活躍すれば絶賛するが、日本で外国人が活躍すると不機嫌になることに疑問は感じないのだろうか。