2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

232話 大正時代の海外旅行事情 その2

アメリカ入国の注意事項は、「見せ金」を用意しておくことだ、とある。出稼ぎ目当ての貧乏人を入国させないための措置で、3等室の客はとくに念入りに詮索される。だから、100円ほどの金を用意しておかないと、入国拒否にあうかもしれないというのだ。 「…

231話 大正時代の海外旅行事情 その1

海外旅行体験記というものは、明治初期から出版されているものの、詳しい旅行事情はよく わからない。出国までの手続きや、携行品の内容や、渡航資金はどのくらいかかったかといったことがよくわからない。そこで、ちょっと資料を探してみると、 たまたま『…

230話 英語を学ぶ目的は

今回は、『英語ベストセラー本の研究』(晴山陽一、幻冬舎新書)を点検しながら、日本人が英語を学ぶ目的について考えてみたい。 晴山氏によれば、1949年から使われ始めた英語の教科書『ジャック・アンド・ベティー』には序論「なぜこの書はつくられたか…

229話 『日米会話手帳』に関して、またまた。これで3度目だ。

日本人の外国語学習史に興味があるので、その関連の本を折に触れて読んでいる。今年の春に読んだのが、『日本人と英語 ――もうひとつの英語百年史』(斎 藤兆史、研究社、2007)で、日本人と英語に関する歴史を解説する本だから、『日米会話手帳』が当然…