2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

272話 最近読んだ本の話 その2

ビルマ文学の翻訳で知られる土橋泰子さんが書いた『ビルマ万華鏡』 (連合出版)は、いわば「ビルマと私」とでもいった前半の柱と、「ビルマ雑学ノート」とでもいった後半の柱の2本立てで構成されている。半世紀以上にもわ たる著者とビルマのつきあいを書い…

271話 最近読んだ本の話 その1

最近読んだ本の感想を書いてみる。 まずは、これだ。『タイ 中進国の模索』(末廣昭、岩波新書、2009)は、前著『タイ 開発と民主主義』(1993)の続編に当たる本で、それ以後の タイの政治や経済について解説している。末廣さんは研究分野の広さでも深さで…

270話 『闇の子供たち』の出来の悪さと不愉快さ 映画編

映画「闇の子供たち」は、小説とはかなり違う構成になっているが、どちらが「まだまし」ということはない。 外国人が出てくる日本の小説や映画の場合、言葉の問題をどう解決するかが、私の重要な関心分野だ。通常のアメリカ映画なら、登場人物がロシア人であ…