2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

1914話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その25(最終回)

■多言語学習は必要か 「同僚に、毎年1言語を選んで勉強するっていう人がいてね」と友人が言った。「今年年はシンハラ語だった。来年は、ヨーロッパの少数語にしようかな」という具合に、1年1言語の学習を趣味にしているという。こういう言語マニアは、そ…

1913話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その24

■外国語のカタカナ表記についてふたたび。 KとGの話 前回のように、いままで外国語の変なカタカナ表記についてたびたび苦言を呈してきた。苦言を、文句とかいちゃもんと言い換えてもいいのだが、私と同じようなことを言う人を見かけないのは、「私が変なのか…

1912話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その23

■再録 3 外国語のカタカナ表記はむずかしいことはよくわかっている。しかし、その難しさとは別に、「なんだよ、それ」と言いたくなる表記が少なくないのも事実だ。その点を指摘した過去のコラムを再録する。 204話(2007-11-05)で、ビルマ語のカタカナ表記…

1911話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その22

■再録 2 42話 井上ひさしさん、それはちょっと違うよ(2011-08-06) 井上ひさしが書いた日本語関連の本はほとんど読んでいるが、おそらくはその最後の本になるだろうと思われるのが、『日本語教室』(井上ひさし、新潮新書、2011)だ。この本は、2001~…

1910話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その21

かつて、アジア文庫の小冊子に書いたエッセイを、このアジア雑語林に何本か再録したことがある。そのなかから、言葉に関する文章をここで紹介する。 ■再録 1 27話 アジアをめぐる「鳥」についての短い考察(2003-07-28にアジア雑語林に再録) 『インドネ…

1909話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その20

■〇国語 言葉の話をするときに気にかけている語が、「〇国語」という表現だ。例えば、「あの人の母国語はフランス語だから」といった言い方だ。フランス国籍を持っている人は皆フランス語を「母国語」としているという誤解だ。言葉は国家と同一で、「○○国の…

1908話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その19

■あいさつはむずかしい さまざまな言語であいさつのことばを覚えるのを無駄とは言わないが、あいさつはなかなかにむずかしいものだ。ガイドブックに載っている「簡単ひと口会話」と現実の会話の間には、深くて広い溝がある。 例えば、中国語のあいさつ語は「…

1907話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その18

■カタコト 日本語を含めて、言葉に興味があるが、地道に、懸命に学ぼうという気概がない。日本語に関しても、漢字検定でいい成績とおさめようという気なんかまったくない。いわんや、外国の言語をや、だ。基礎からしっかり勉強する気はないが、その言語のお…

1906話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その17

■口語表現 高野さんは、「会話の授業では、しゃべりことばを教えろ」と何度も書いている。「私はおなかが減りました」ではなく、「ああ、腹減った」というようなしゃべり方を教えなさいという意味だ。 日本で日本語をちょっと学んだことがある知り合いのタイ…

1905話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その16

■AUA 高野秀行さんがAUAチェンマイ校でタイ語を学んだことがあるとは知らなかった。私が通ったのはバンコク本校だが、授業内容は基本的に同じだろう。 AUAというのは、American University Alumniの頭文字をとったもので、アメリカ留学生同窓会とでもいった…

1904話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その15

■中国語 前回、説明なしに中国語の簡体字と繁体字の話をした。中国語をまったく知らない人にはチンプンカンプンだろうから、ここでちょっと解説しておこうと思ったら、手ごろな解説記事があったので、リンクしておく。まず、これを読んでいただきたい。 この…

1903話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その14

■文字 下 中国語、とりわけ台湾の中国語は日本人にとってもっとも解読しやすい言語だろう。中国語を学んだことがなければ、ひとことも聞き取れないだろうが、鉄道やバスの路線図は判読できる。わからない語は、辞書を引くことができる。タイ語やビルマ語の辞…

1902話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その13

■文字 上 『語学の天才まで1億光年』で、高野さんはタイ語の発音のややこしさは書いているが、文字と書き方の苦労は書いてない。おそらく、「屁のカッパ」だったのだろうが、私にとっては、「なんだよ、これ!」だった。2000ページを超える『タイ日辞典』(…

1901話 言葉は実におもしろい。地道に勉強する気はないけれど・・・ その12

■ことばの音 1888話で、こう書いた。 「インドネシア語やスワヒリ語やスペイン語は、カタカナで耳に入ってくるが、初めてタイ語を聞くと、特に女の子がしゃべるタイ語は、小鳥のさえずりのように聞こえて、モヤかカスミに包まれたように感じるのだ」 138ペー…