1228話 プラハ 風がハープを奏でるように 37回

建物を見に行く その8 キュビズム 中編 黒い聖母の家でもらったキュビズム建築ガイド“A Stroll Around Prague’s Cubist Architecture”は、建築物のカラー写真と建築家の名前と生没年、そして地図がついているから、これをガイドにプラハを歩いた。全部で16の…

1227話 プラハ 風がハープを奏でるように 36回

建物を見に行く その7 キュビズム 前編 プラハは、街全体が「建築博物館」になっている理由は、古い時代からの建造物がそのまま残っているからだ。例えば、こういう建物がある。 ・ロマネスク様式・・・・10世紀後半~13世紀 ・ゴシック様式・・・・・12世紀…

1226話 プラハ 風がハープを奏でるように 35回

建物を見に行く その6 生活者の気分 プラハで最初に泊まった宿は8人部屋のドミトリーだったが、そのあと利用することになった郊外にある一戸建ての宿は個室だった。トイレやシャワーは共用だが、清潔に管理されていて不満はまったくない。廊下に小さな台所が…

1225話 プラハ 風がハープを奏でるように 34回

建物を見に行く その5 郊外住宅図鑑 後編 郊外住宅を見ていて思い出したのは、日本にも同じ時代があったということだ。昭和戦前期、私鉄沿線の住宅地だ。今の新興住宅地とは違い、大会社のサラリーマンだったり官僚が住む小金持ちの住宅だ。日本建築史を読め…

1224話 プラハ 風がハープを奏でるように 33回

建物を見に行く その4 郊外住宅図鑑 前編 宿の近所は戸建て住宅で、日本の郊外の新興住宅街とは違い、ゆったりした敷地に堂々とした家が建っている。夕食前の散歩でそんなことがわかったので、翌日は本格的に住宅散歩をすることにした。地図を見れば、宿か…

1223話 プラハ 風がハープを奏でるように 32回

建物を見に行く その3 パネラーク 日本とチェコの団地、あるいは低中層の集合住宅との違いは、チェコでは1階の入り口にドアがあることだ。古い建物でも、木製のドアがついているから、誰でも個人住宅の玄関ドアにたどりつけるわけではない。ただし、北海道の…

1222話 プラハ 風がハープを奏でるように 31回

建物を見に行く その2 団地 「誰がこんな場所の宿を予約したんだよ!」と悪態をつきたくなったが、私が予約したのだから誰にも文句が言えない。 プラハに着いたら、とりあえず2週間ほど滞在して、そのあとちょっと地方巡礼に出ようかと考えていたのだが、日…

1221話 プラハ 風がハープを奏でるように 30回

建物を見に行く その1 国立産院 プラハに着いてまだ間もない日の遅い午後、洗濯を終えたあと宿の近所を散歩することにした。宿は新市街にあるのだが、プラハの「新市街」というのは、中世の旧市街に対する近世の新市街だから、100年から200年くらいの建物が…

1220話 プラハ 風がハープを奏でるように 第29回

ベラ・チャスラフスカ その3 メキシコ・オリンピックで大活躍したベラは英雄となり、同じくオリンピック陸上選手のヨゼフ・オドロジルと結婚した。ソビエトに支配されたチェコスロバキア政府は、解放政策を支持し他国の妨害を許さないという趣旨の「二千語…

1219話 プラハ 風がハープを奏でるように 第28回

ベラ・チャスラフスカ その2 プラハの共産主義博物館以後、チェコを旅していて、若きベラ・チャスラフスカの写真に何度か出会った。2018年は、チェコスロキアが独立した1918年からちょうど100年ということで、各地で「1918~2018」と題した催事が開かれてい…

1218話 プラハ 風がハープを奏でるように 27回

ベラ・チャスラフスカ その1 2019年のアジア雑語林がまた始まりました。 ムハの絵で知られる市民会館のすぐそばに、共産主義博物館というものがある。ジョージアから来た留学生にこの博物館に行ったと話したら、とたんに顔をしかめた。「共産主義のどこがい…

1217話 プラハ 風がハープを奏でるように 第26回

マルタ・クビショバーとチェコの音楽と政治と その8 チェコの過去のヒット曲はどういうタイプの音楽なのか、歌手の服装などいろいろ知りたかった。希望のままに終わるかと思われたが、偶然にも、宿の台所でテレビを見ていたら、コンサートのシーンが出てきた…

1216話 プラハ 風がハープを奏でるように 第25回

マルタ・クビショバーとチェコの音楽と政治と その7 帰国して、まずプラハで買ったマルタのCDを聞いた。それから、パソコンに向かった。プラハの夜に出会ったあの若きミュージシャンが紹介してくれたチェコの歌手やバンドの動画を探したら、じつに簡単に見つ…

1215話 プラハ 風がハープを奏でるように 第24回

マルタ・クビショバーとチェコの音楽と政治と その6 チェコ音楽博物館から宿に帰った日の夕方、受付けカウンター付近ではジャズが流れていた。「デイブ・ブルーベックか。ラジオ?」と棚のラジオを指さしたら、パソコンに向かっていた若い男が、「いや、これ…

1214話 プラハ 風がハープを奏でるように 第23回

マルタ・クビショバーとチェコの音楽と政治と その5 2000年に、NHK「世紀を刻んだ歌」(2000)を見ているが、記憶はあまりない。確認したいことがあるので、録画したはずのDVDを家中探したが、見つからない。これまたはっきりした記憶ではないが、今年だったか…

1213話 プラハ 風がハープを奏でるように 第22回

マルタ・クビショバーとチェコの音楽と政治と その4 マルタ・クビショバーもベラ・チャスラフスカも、初めから筋金入りの活動家だったわけではない。チェコ事件の以前も以後も、共産党政府ににらまれた有名人などいくらでもいたが、多くは共産党に恭順の姿…

1212話 プラハ 風がハープを奏でるように 第21回

マルタ・クビショバーとチェコの音楽と政治と その3 公安がマルタに求めたのは、「私は悪いことをしました。申し訳ありません」という始末書にサインするか、外国に出ていくかの、どちらかだった。外国で騒ぐだけなら、国内には影響はないという考えだった…

1211話 プラハ 風がハープを奏でるように 第20回

マルタ・クビショバーとチェコの音楽と政治と その2 そのLPレコードは、白黒写真を青地で囲ってある。女性歌手の姿に1960年代を感じる。日本で言えば、カルメン・マキや浅川マキの雰囲気だ。ほかのレコードは、保守本流の流行歌ヒット盤やディスコのバンド…

1210話 プラハ 風がハープを奏でるように 第19回

マルタ・クビショバーとチェコの音楽と政治と その1 プラハの博物館はつまらん、入場料を払う価値のある博物館はあまりない。はっきりとそう認識したのは、ムハ美術館だった。その画家の名はMuchaと書く。チェコ語ではchはhの発音になるから「ムハ」である…

1209話 プラハ 風がハープを奏でるように 第18回

チェコ語 後編 チェコ語はそのままローマ字読みしてはいけないので、ちょっとした訓練が必要だ。 地下鉄は車窓からの眺めを楽しめないから、ある日の車内ではチェコ語の教科書を手にしながら、駅名の発音を考えてみた。地下鉄なら、駅名のアナウンスがあるか…

1208話 プラハ 風がハープを奏でるように 第17回

チェコ語 前編 チェコ語の文法はややこしいということはすでにわかっているから、チェコに行くからといって、チェコ語を学ぶことはハナから考えていなかった。私は言葉に興味があるが、その言葉を地道に学ぶまじめさがないのだ。言葉が通じなくて困れば、そ…

1207話 プラハ 風がハープを奏でるように 第16回

チェコの英語 1918年、チェコスロバキア共和国が誕生した。それまでのドイツ語支配の状況から、チェコ語とスロバキア語の世界に変わっていくのだが、ドイツ系住民が多かったこともあり、ドイツ語は依然として強い力を持っていた。1939年にナチス・ドイツの支…

1206話 プラハ 風がハープを奏でるように 第15回

散歩のガイドブック いままで、中2日という更新間隔でやって来たが、まだ公開していない下書きだけで3万字くらいあり、それでも構想している全体の半分にもならない。このままでは来年春になってもまだ終わらないかもしれない。買い集めた資料はほとんど読…

1205話 プラハ 風がハープを奏でるように 第14回

此頃都ニハヤル物 その6 プラハでよく見かけるもの、第5位は、これ。 5、すし 1995年から96年にプラハで生活した日本人は、チェコ人にとっての魚をこう書いている。 「内陸国のチェコの人たちは、昔から海の幸にはなじみがないため、魚介類を見るとき、ま…

1204話 プラハ 風がハープを奏でるように 第13回

此頃都ニハヤル物 その5 プラハでよく見かけるものの第4位は、これだ。 4、中国語人観光客 いまさら、なのだが、プラハにも当然中国人、正確には中国語人観光客が多くいる。中国語人というのは、中国語でしゃべっている人たちという意味で、中国、台湾、香…

1203話 プラハ 風がハープを奏でるように 第12回

此頃都ニハヤル物 その4 プラハでよく見かけるものの続きを書く。 3、ベトナム料理店 プラハで見ていたテレビから、ヒップホップグループのプロモーション・ビデオが流れていた。撮影現場は市場のようで、ベトナム語の看板が見えるのだが、ベトナムの空気…

1202話 プラハ 風がハープを奏でるように 第11回

此頃都ニハヤル物 その3 プラハでよく見かけたものの続きだ。 2、タイ・マッサージ プラハでもっとも有名な広場といえば、旧市街広場とバーツラフ広場が首位争いをするだろうが、繁華街でもあるという条件を加えると、バーツラフ広場が首位に来る。そこは、…

1201話 プラハ 風がハープを奏でるように 第10回

此頃都ニハヤル物 その2 両替の問題点を書き出してみる。 プラハで悪評高きものといえば、悪質タクシーと両替屋だ。両替屋の悪事はいくつかある。スペインやイタリアでは、クレジットカードを使ってATMでキャッシングという旅行者が多かったように思うが、…

1200話 プラハ 風がハープを奏でるように 第9回

此頃都ニハヤル物 その1 プラハを散歩していて耳障りな事、聴覚に与える不快な事は、まずサイレンだ。救急車とパトカーの両方があるようだが、まるで犯罪多発都市のように昼夜サイレンが鳴り響いている。特に、深夜早朝は安眠を妨げる。プラハ在住者のブロ…

1199話 プラハ 風がハープを奏でるように 第8回

英語を覚えるわけではなく 英語の辞書があれば、会話がもっとうまくいったのになあということはあった。 雑談をしていれば、わからない単語などいくらでも出てくる。そこでいちいち辞書を引いていたら、会話にならない。だから、わかっている振りをするのも…