2056話 続・経年変化 その22

音楽 22 日本の歌

 考えてみれば、日本の本流の歌にはほとんど興味がなかった。本流というのは大ヒット曲のジャンルで、1970年代までの歌謡曲は好きなものもあるが、それ以後のアイドルポップやユーロビートも、「ザ・ベストテン」で取り上げられたヒット曲には耳が向かなかった。日本の歌でCDを買ったのは、ちあきなおみだ。もとより完全コレクションをする気はないが、発売した歌のほとんどは買った。たまたまラジオで聞いて、「改めて、ちゃんと聞こう」と思いCDを買ったのがザ・ピーナッツ

 そういえば、沖縄音楽は比較的よく聞いている。りんけんバンドネーネーズのコンサートに行ったことがある。沖縄の歌手では、古謝美佐子が別格にいい。

 日本の歌で、コンサートのもようをテレビでやっていたり、ラジオで流れていると、「いいなあ」と聞く耳を向ける歌手やバンドがあり、CDを買うというところまではいかないが、パソコンで聞いたりする。思いつくままに、順不同に書き出す。

浅川マキ・・・ステージを2度見ている。

憂歌団

RCサクセッション

東京スカパラダイス・オーケストラ・・・バンコクで生演奏を聞いた。

熱帯ジャズ楽団

BEGIN・・・テレビ初登場の「イカ天」から見ている。

THE BLUE HEARTS

サンボマスター

EGO-WRAPPIN'

クレージーケンバンドなどなど。

 こうして歌手やバンドの名を挙げていて気がつくのは、日本語の歌詞をはっきり発音して歌っている人たちだということだ。「歌なんて、ノリだよノリ」とばかりに、英語らしき単語を入れ、日本語を英語風に発音すれば「かっこいいだろ!!!」というバンドではない。そういう判断基準が先にあったのではなく、聞いていて「いいな」というバンドを書き出すと、たまたまそういう共通点があるということに気がついたということだ。

 そしてもうひとつ、音楽に多少詳しい人が上のリストを見れば、ブルースやソウルミュージックやラテンの影響を強く受けていることがわかるだろう。BEGINにしても、アマチュア時代はブルースをやっていて、沖縄音楽などやる気はまったくなかったのだ。RCサクセッションやウルフルズの音楽を聞けば、オーティス・レディング時代のソウルが聞こえてくるし、RCはローリング・ストーンズの影響も強く受けていることがわかる。つまり、私が好きなジャンルの音がする日本の歌なのだ。

 今の、若い世代の歌手だと藤原さくらがいい。初めて彼女の歌を聞いたとき、「ノラ・ジョーンズだな」と思ったのだが、彼女は実際ノラ・ジョーンズに心酔しているとのちに知った。私の勘は当たっていたのだ。毎週interFMの彼女の番組HERE COMES THE MOONを聞いている。今、馬頭琴に興味があって、いつか弾き語りをやりたいそうだ。

 朝倉さやは、声と節回しがすばらしいのだが、「これだ!」という曲がない。残念。