2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

637話 さて、どこに行こうか

この秋に、どこに行こうかと考えた。まだ行ったことのない国のなかで、もっとも行きたいのはブラジルなのだが、時と場所を選ばずに散歩をしたがる私のように旅行者には、ブラジルはあまりに危険らしい。行ったことがある国で、また行きたい国のひとつはケニ…

636話 1970年代後半の中公文庫が気になって

前回までのコラムに中公文庫のことを書いていたら、「1970年代後半の中公文庫がおもしろかった」という印象を、具体的に調べてみたくなった。中央公論社が文庫を出したのは1973年で、70年前半は、アジア物といっても『アーロン収容所』(会田雄次)と『レイ…

634話 戦時中の「風と共に去りぬ」 その1

井伏鱒二といえば、少年時代に『ジョン万次郎漂流記』(1938年直木賞受賞作)、『山椒魚』、『黒い雨』の3作を読んでいるだけだが、それ以来40年以上たって、ひょんなことから井伏の本を注文することになった。井伏鱒二(1898〜1993)は、1941年12月、マレー…

635話 戦時中の「風と共に去りぬ」 その2

「風と共に去りぬ」は、小説を読んでいないし、映画も舞台も見たことがない。「見たい」とはあまり思わない映画だったからだが、映画のいくつものシーンは、テレビのアメリカ映画史といった番組などで見ている。それでも特にどうという印象はなかったのだが…

633話 ヒッピー始末記を読みたい

若者の旅の歴史を追うには、ドイツの遍歴職人やユースホステルやワンダーホーゲルの運動、イギリスのグランドツアーやボーイスカウト活動などいくつもの要素があるのだが、第2次大戦後に限れば、若者が異文化衝突の旅をするようになるきっかけには、アメリ…

632話 東海道新幹線開業のころと父

本の話を何本も書いて、これから公開していく予定だったのだが、新聞もテレビも「新幹線開業・東京オリンピックから50年」という話題であふれていて、「ああ、そうだったなあ」と思い出すことがあって、その話題をはさむことにした。 そう、今から50年前の今…