2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

389話 「月曜日にひなたぼっこ」

テレビの旅番組でスペインを特集していた。いつものアンダルシア物ではない。どの地域かはわからないが、さほど大きくない連絡船が画面に登場している映像を見て、ちょっと前に見たスペイン映画を思い出した。 2002年の秋は、しばらくマドリッドで過ごした。…

388話 それはそれは寒かった日と冷たかった日

録画していた番組を見ていたら、おまけに「世界の天気」というミニ番組がついていて、おもしろそうなので世界各地の天気を見ていた。ソウルに「−7℃」という数字が見えて、「さすがソウル、寒くてたまらないなあ」と思ったが、ちょっと気になることがあって…

387話 ミルクの行商

西洋人は古くから牛乳を飲んでいたのだろうと思いがちだが、牛乳はチーズなどの乳製品の原料であったり、煮込み料理に入れるといった使い方をしていて、長らく飲み物ではなかった。フランスでは酪農家を別にして都市住民は、18世紀後半からカフェ・オレとし…

386話 東京のインドネシア料理店のことから、鹿児島に

『戦後日本=インドネシア関係史』(倉沢愛子、草思社、2011)は、資料集という意味あいが強く、物語性の弱い記述が続くから、インドネシアに興味のない人にはちょっとつらい本かもしれない。5000円近い定価の本だから、専門家を相手にした内容だが、私のよ…

385話 つまらない論文

ある会議で、大学院生に会った。博士論文を執筆中だというが、話を聞くとまるでおもしろそうじゃない。論文の内容云々よりも、彼の関心分野も行動範囲も非常に狭く、ちょっとでも専門から外れることとなると、まるで無知だということに落胆した。どうせ、つ…

384話 ジンギスカン料理の、あの鍋

『焼肉の誕生』(佐々木道雄、雄山閣、2011)は、いわゆる「焼肉」のほかにも、私がかねてから疑問に思っていた焼き鳥の歴史やジンギスカン料理誕生のいきさつなどについても詳しく書いてある。調査をやるなら、これくらいは資料を読みなさいという刺激を与…