2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧
建物を見に行く その11 アール・ヌーボー 後編 プラハを歩けば、「これ、アール・ヌーボーなんだろうな」という建物をいくつも見かけるが、その正体を資料で確認できないものも多い。あるいは、ていねいに調べれば建物の正体を明らかにすることはできそうだ…
建物を見に行く その10 アール・ヌーボー 前編 買った本が書棚に入らなくなって久しい。そこで建築関連書をまとめて処分しようかと考えていたのだが、チェコで建築見物を始めてしまった。かつてよく足を踏み入れた神保町の建築専門書店南陽堂に半年ぶりに行…
建物を見に行く その9 キュビズム 後編 キュビズム建築散歩は、散歩をする一応の名目のようなもので、深く研究するわけではない。ちょっとおもしろそうだったので、てくてくと歩いた。それだけのことなのだが、建築のおもしろい街は、散歩のおもしろい街でも…
建物を見に行く その8 キュビズム 中編 黒い聖母の家でもらったキュビズム建築ガイド“A Stroll Around Prague’s Cubist Architecture”は、建築物のカラー写真と建築家の名前と生没年、そして地図がついているから、これをガイドにプラハを歩いた。全部で16の…
建物を見に行く その7 キュビズム 前編 プラハは、街全体が「建築博物館」になっている理由は、古い時代からの建造物がそのまま残っているからだ。例えば、こういう建物がある。 ・ロマネスク様式・・・・10世紀後半~13世紀 ・ゴシック様式・・・・・12世紀…
建物を見に行く その6 生活者の気分 プラハで最初に泊まった宿は8人部屋のドミトリーだったが、そのあと利用することになった郊外にある一戸建ての宿は個室だった。トイレやシャワーは共用だが、清潔に管理されていて不満はまったくない。廊下に小さな台所が…
建物を見に行く その5 郊外住宅図鑑 後編 郊外住宅を見ていて思い出したのは、日本にも同じ時代があったということだ。昭和戦前期、私鉄沿線の住宅地だ。今の新興住宅地とは違い、大会社のサラリーマンだったり官僚が住む小金持ちの住宅だ。日本建築史を読め…
建物を見に行く その4 郊外住宅図鑑 前編 宿の近所は戸建て住宅で、日本の郊外の新興住宅街とは違い、ゆったりした敷地に堂々とした家が建っている。夕食前の散歩でそんなことがわかったので、翌日は本格的に住宅散歩をすることにした。地図を見れば、宿か…
建物を見に行く その3 パネラーク 日本とチェコの団地、あるいは低中層の集合住宅との違いは、チェコでは1階の入り口にドアがあることだ。古い建物でも、木製のドアがついているから、誰でも個人住宅の玄関ドアにたどりつけるわけではない。ただし、北海道の…
建物を見に行く その2 団地 「誰がこんな場所の宿を予約したんだよ!」と悪態をつきたくなったが、私が予約したのだから誰にも文句が言えない。 プラハに着いたら、とりあえず2週間ほど滞在して、そのあとちょっと地方巡礼に出ようかと考えていたのだが、日…
建物を見に行く その1 国立産院 プラハに着いてまだ間もない日の遅い午後、洗濯を終えたあと宿の近所を散歩することにした。宿は新市街にあるのだが、プラハの「新市街」というのは、中世の旧市街に対する近世の新市街だから、100年から200年くらいの建物が…
ベラ・チャスラフスカ その3 メキシコ・オリンピックで大活躍したベラは英雄となり、同じくオリンピック陸上選手のヨゼフ・オドロジルと結婚した。ソビエトに支配されたチェコスロバキア政府は、解放政策を支持し他国の妨害を許さないという趣旨の「二千語…
ベラ・チャスラフスカ その2 プラハの共産主義博物館以後、チェコを旅していて、若きベラ・チャスラフスカの写真に何度か出会った。2018年は、チェコスロキアが独立した1918年からちょうど100年ということで、各地で「1918~2018」と題した催事が開かれてい…
ベラ・チャスラフスカ その1 2019年のアジア雑語林がまた始まりました。 ムハの絵で知られる市民会館のすぐそばに、共産主義博物館というものがある。ジョージアから来た留学生にこの博物館に行ったと話したら、とたんに顔をしかめた。「共産主義のどこがい…