2005-01-01から1年間の記事一覧

132話 快傑ハリマオまでの戦後史

1960年ころのテレビとアジア(4) 「豹の眼」の後を受けて放送されたのが「快傑ハリマオ」、そして「快傑ハリマオ」にやや 遅れて60年7月から放送が始まったのが、千葉真一主演の「アラーの使者」だ。川内康範の原作で、中東にかつてあったカバヤン…

131話 快傑ハリマオまでの戦後史

1960年ころのテレビとアジア(3) ハリマオこと谷豊が死に(死因はマラリアではなく、秘密保持のため日本の軍部に殺された という説もある)、戦争が終わってからも、「ハリマオ」はしばしばマスコミに姿を見せた。テレビ映画の「快傑ハリマオ」と、石…

130話 快傑ハリマオまでの戦後史

1960年ごろのテレビとアジア(2) 「快傑ハリマオ」のそもそもの物語は、1942年に始まる。この年の1月、日本軍はマ レーを占領し、2月にはシンガポールを占領した。そして、3月。このマレー戦線に参加した男が、マラリアのためシンガポールの病…

129話 快傑ハリマオまでの戦後史

1960年前後のテレビとアジア(1) おもしろいだろうと思って買った本が、予想を大きく外れておもしろくなかった。せっかく買った本だから、もう少しつきあってやらないともったいないと思うものの、すぐに目は活字を離れ、頭は別なことを考え始めている…

128話 アジア関係出版物年表(1945〜1979 ) あるいは「青少年時代に、こんな本も読んでいた」

戦後のアジア関係書を出版年別に並べてみると、なにが見えるだろうかと思い、年表を作っ てみた。資料は大阪のアジア図書館の図書目録などいくつもあるが、まったく知らない本の名前を書き出してもおもしろくないので、自分が読んだことがある本 を中心に、…

127話 またまた、ネット書店

あいも変わらず、ネット書店巡りをしている。 ある本を読んでいて、おもしろそうな本が紹介してあったり、参考文献リストに興味深い本が見つかると、コンピューターの電源を入れる。調べてみたくなるじゃないですか。 最近出た本なら、まずアマゾンでチェッ…

126話 頭(ず)が高い

韓国のテレビドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」を見ていて気になるのは、頭(ず)が高いということだ。 王が食事をしていると、役人たちはその前で立ったまま見守っている。食事のときだけではなく、会議の場でも、一部の高官だけが王のそばに座り、ほかの…

125話 愛人問題と言論の自由

時間がたつのは早いもので、かの宇野総理辞任事件があったのが1989年だから、もう 16年たったということになる。じつは、今、あの事件がいつだったか現代史年表で調べる前に、パソコンで検索してみた。試しに「愛人 指三本」をキーワー ドにすると、ど…

124話 なかなか本が読めない理由

ここ数年、本を読む速度が確実に落ちた。これには、ふたつの理由が考えられる。 まずは、目の問題だ。目の体力とでもいおうか、あるいは目の持久力とでもいうか、長時間というほど長い時間でなくても、じっと活字を見つめているのがつらくなってきたのだ。も…

123話 編集者の喜び

神田の東京堂だった。嵐山光三郎の『古本買い 十八番勝負』を見つけて、すぐ買おうとは思った。だが、新書はウチの近所の小さい書店で買ってやろうと思ってあとまわしにした。 帰路、その近所の書店に寄ったのだが見つからない。版元を確認しなかったが、あ…

122話 アフリカと白石顕二さん

2005年7月1日の新聞に、知り合いの死亡記事が出ていた。アフリカの映画や音楽などを日本に紹介してきた白石顕二さんが、6月22日午前11時20分に急性心筋梗塞で武蔵野市の病院でなくなったという記事だった。59歳、やりたいことがまだまだあっ…

121話 「青春とはなんだ」とミッキー安川

最近になって、昔の日本映画をよく見るようになった。戦後の海外旅行事情を調べる一環として、当時の社会風俗を生で知りたいと思ったからだ。「生」といっても、正確にいえば、「フィルムに保存された時代」という意味だ。 例えば、1960年公開のある映画…

120話 写真の力(3)

カメラマン VS ライター 理屈ばかりの話が続いたので、今回は方向を変える。 カメラマンと雑談していると、話題はいつしか「カメラマンとライター、楽なのはどっち」というテーマになることが多かった。カメラマンとよく話しをしたのは、1980年代から…

119話 写真の力(2)

テレビの絵 テレビでドキュメントや紀行番組を見ていて、「もしこのテーマを活字媒体で発表するなら、何ページもつかなあ」と考えることがある。テレビでは1時間番組になっているが、その番組のために取材した材料で、どれだけの原稿が書けるだろうかという…

118話 写真の力(1) 

貧乏取材 写真撮影など、もともと好きではない。撮影の必要などなければいっさい撮らない。別の言い方をすれば、カネにならない撮影はしないのである。 もともと、写真が好きでないのは、カメラが機械だからかもしれない。幼児期から、機械が嫌いだった。自…

117話 中国と新聞

朝日新聞を読んでいて、「あれっ?」と思った。つい先日のことだ。新聞の国際欄にある中国の記事に、部分的にルビ(ふりがな)がついていたのだ。人名や地名などすべての固有名詞にルビがついているのではなく、選別方法は不明ながら、一部にルビがついてい…

116話 バイリンガルがうらやましい

現在しゃべっている言葉以外の言葉もしゃべれる人が、うらやましい。それはなにも外国語である必要はない。日本語でいいのだ。 アジア文庫店主は、東京ではあたかも東京生まれのような日本語を話しているが、ふるさと別府に戻れば、地元の人の誰もが疑いよう…

115話 ローマ字表記はややこしい (2)

さて、日本にも問題がある。ネット上の意見を読んでみると、日本におけるローマ字の問題がいろいろ論じられている。ヘボン式がどうだ、訓令式はどうだという意見があり、私もそれなりに意見はあるが、ここでは人名や地名の表記だけを考えたい。 その1 飾り…

114話 ふたたび、ニッポンが嫌いだ

チョウチョウを旧仮名遣いでは「てふてふ」と書く。これをそのままローマ字で「TEHUTEHU」と書いて、外国人にチョウチョウと読ませるには無理があ る。非ローマ字言語をローマ字で表記するということは、その言語が使用する文字を読めない人に、どう…

113話 ふたたび、ニッポンが嫌いだ

このコラムの2004年11月19日号に、「ニッポンが嫌いだ」という文章を書いた。「日本」を「ニッポン」と無理やり発音する放送局を批難し、こんな日 本語を耳にしたくないという趣旨だ。「日本」はすべて「にほん」でいいじゃないか、無理して「ニッポ…

112話 恒例 2004年出版社別購入書籍ランキング

以前、一年間に買った本の出版社別ランキングを発表したような気がするのを突然思い出 し、2004年版をやってみようと思った。総数が何社になるのかカウントするのは面倒なので省略するが、とにかくそのベスト10を調べてみた。「ベスト」 というのは、…

111話 反韓パソコン

私のパソコンは、ちょっとおかしい。私のだけがおかしいのかどうか、わからないが、とにかくおかしのである。このWindowsXP Home Editionは。 たとえば、「ちょうせん」と打って、最初に「挑戦」がでてくるのはわかる。それを「朝鮮」と変換し直せ…

110話 インタビューとテープレコーダー (2)

今度はちゃんとしていそうなカセットテープを買って、次のインタビューで使ってみた。録 音は問題なくできていた。インタビュー中に理解できない英語は、録音したものを聞けばわかるだろうと思ったのだが、何度聞いてもわからないものはわからな い。時間の…

109話 インタビューとテープレコーダー (1)

いままでさまざまな人にインタビューをしてきたが、そのやりとりをそのまま原稿にするということをしたことがない。私が質問し、相手が答えるというやりとりを交互に繰り返して、4ページなり6ページを埋めるというような、ああいうインタビュー記事だ。 私…

108話 タイ・フェスティバル2005

東京の代々木で毎年開かれているタイ・フェスティバルに、2年ぶりに行った。タイ料理には誘われないが、音楽にはそそのかされる。 北タイにスンタリーという歌手がいる。彼女が歌う北タイの雰囲気をたたえた歌謡曲が、なかなかいい。全身の骨を抜かれて、「…

107話 哀愁の町

映画について、簡単な情報を得るのに便利なgooで、タイトルに 「哀愁」がつく映画を検索した。リストには29作あった。29作中、製作年のわからない作品が2作ある。残りの27作のなかで、もっとも古い作品は、 1930年のアメリカ映画「南の哀愁」、そ…

106話 あるボツ原稿

2004年の秋のこと、ある新聞社から2005年正月特集の原稿を依頼された。テーマは 「日本を含むアジアに共通する文化や習慣」ということだった。ヒマだからすぐさま原稿を書いて送ったら、原稿を依頼した記者ではなく、その上司らしき男か ら電話があ…

105話 旅行記またはマジックバスの話

すばらしい本に出会うと、その本を生み出してくれた著者と編集者に感謝の手紙を書くことがある。あの本も、そういう本の一冊だった。 1983年10月に出た『街道のブライアンまたはマジックバスの話』(黒田礼二、筑摩書房、1200円)は、一種の旅行記…

104話 新旧は対立するか

佐藤さんが結婚して、鈴木に姓が変わったら、「鈴木(旧姓佐藤)さん」と表記されることがある。 古くからある旅館が手狭になったので、横に鉄筋コンクリートの新館を作ったとする。新館ができたので、元の建物は本館とか旧館などと呼ばれる。 旧制高校とい…

103話 間違いやすい『日米会話手帖』

出たばかりの文庫のページを開いて、「おいおい」と突っ込みを入れてしまった。1945年の日本を書いた次の文章だ。 灯火親しむの候の秋、九月十五日には、機を見るに敏であった誠文堂新光社から早くも刊行された『日米会話手帖』がまたたく間に三百六十万…