2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

2110話 若者の世界旅行 欧米編 36 英・豪ルートと日本 1

2108話で、イギリスとオーストラリアを結ぶ旅行ルートの話をした。今回は、ヨーロッパとオセアニアを結ぶ旅行ルートと日本の関係を考える。 アメリカ人やカナダ人にとっては日本は、「東洋の異国」というイメージによって旅行目的地に決めたということはあっ…

2109話 若者の世界旅行 欧米編 35 学割旅行

学割航空券の話を続ける。 1970年代の日本は、就職が決まった大学生向けの団体海外旅行はあり、そのツアーのガイドブックとして制作された冊子がのちの『地球の歩き方』である。大学生ではない者や団体旅行はしたくない者が、手軽に買える安い航空券はまだほ…

2108話 若者の世界旅行 欧米編 34 東南アジアルート

注文していた『コンビニからアジアを覗く』が届く。編著者の「佐藤寛+アジアコンビニ研究会」という名称をよく見て「?」。佐藤寛の名はアジア経済研究所の『イエメンものづくし』の著者かもしれないと調べてみたら、当たり! この本は、ちょっと旅行したこ…

2107話 若者の世界旅行 欧米編 33 理想郷とバス旅行

1960年代のヒッピーの時代、ビートルズがインドに行く前から、イギリスやフランスやドイツから見て「東」は、ある種魅力的なイメージがあった。古代ギリシャやギリシャ神話に深い関連がある語がアルカディア(牧歌的な自然が残る理想郷)。そして、アラベス…

2106話 若者の世界旅行 欧米編 32 ヒッピー

1960年代に入り、「サンフランシスコのヘイトアシュベリー通り周辺におかしな格好をした若い奴らが住み着いている」という噂が流れ、雑誌やテレビで報道されると、そこにやってくる若者がどんどん増えていった。変な服を着た長髪ヒゲ面の若者が歩道に座って…

2005話 若者の世界旅行 欧米編  31 食文化話の追加

前回、食文化の変化の話を少ししたら、もう少し書きたいことが浮かんできた。旅と食文化の話だ。そこで、今回は番外編というわけだ。 石毛直道さんが編著者となって作った『ロスアンジェルスの日本料理店―その文化人類学的研究』(ドメス出版)が出版された…

2104話 若者の世界旅行 欧米編 30 ビート・ジェネレーション 3

ビートニク(beatnik)と呼ばれた者たちの文学運動は、1940年代末から60年代初めにかけて活発に活動した。そういう活動に参加した人たちを、ビート・ジェネレーションという。彼らの説明では、beatという語は、beatnific(至福)からとった自称で、1957年に打…

2103話 若者の世界旅行 欧米編 29 ビートジェネレーション 2

前回からの年表の続き。 1949 バロウズ、麻薬と拳銃の不法所持で逮捕。メキシコに渡り、メキシコ・シティー大学で学ぶ(52年に、危険外国人としてメキシコから追放される)。 1953 バロウズ、中南米を旅行した後。モロッコに定住。” The Naked Lunch”を書き…

2102話 若者の世界旅行 欧米編 28 ビートジェネレーション 1

これまで、ソロー(1817~1862)やジョン・ミューア(1838~1914)の話をした。20世紀に入り、職を求めて放浪するホーボーの話もした、1930年代の農民大移動の話は、スタインベックが『怒りの葡萄』で書いている。 今回からアメリカの戦後文化の話だ。「ビー…

2101話 若者の世界旅行 欧米編27  高等遊民のことから 3

韓国の海外旅行自由化の流れは1393話に書いた。ネットで簡単に手に入る資料だと、韓国で旅行が自由化されたのは、ソウルオリンピックの翌年、1989年だと説明されているが、まだ障害があったという話を書いた。日本の場合、1964年に海外旅行が自由化された。…

2100話 若者の世界旅行 欧米編26  高等遊民のことから 2

1970年代や80年代に、経済的な余裕がある若者は、数は多くなくてもインドにも香港にもいたが、彼ら彼女らがリュックを背負って旅に出ようとは考えなかった。金持ちは、家族そろってヨーロッパやアメリカに出かけることはあった。若者が留学するということは…

2099話 若者の世界旅行 欧米編25  高等遊民のことから 1

ヘンリー・ソローの生涯を知って頭に浮かんだのは、「高等遊民」という言葉だ。高等教育を受けていながら、その学歴を生かして保守本流の出世街道を歩まない。エリートの本流から外れているが、経済的には何とかなり、好き勝手に生きる若者というのが私のイ…

2098話 若者の世界旅行 24 日本の『森の生活』2

作家火野葦平に関して、このブログで長い話を書いた(「神保町で火野葦平に出会う」2016-06-15の834話以降)。そのなかで、『森の生活』と小田実の話を書いたので、その大筋を紹介する。 話は、神保町で見つけた『アメリカ探検記』(火野葦平、雪華社、1959…

2097話 若者の世界旅行 欧米編 23 日本の『森の生活』1

ヘンリー・ソローの著作、『森の生活』("Walden; or, Life in the Woods“)が出版されたのは1854年だった。この本を、レフ・トルストイ(1828~1910)が読んでいたという情報がネットにあるが、トルストイの著作を点検してその証拠を探したことはない。あく…

2096話 若者の世界旅行 欧米編 22 野山を歩く2

ステレオの右スピーカーが低音音割れがあり、そこそこのカネを投じてウッドコーンスピーカー(ただし小型)に買い替えたのだが、数年前。想像していた通り、やはり低音は物足りない。サブウーファーを買おうかと思ったが、でかいからジャマだ。それで、しば…