2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

1293話 スケッチ バルト三国+ポーランド 12回

ロシア人たち チェコとバルト三国の違いは、ロシア人の存在だ。チェコもかつてソビエトの占領下にあったが、国内にロシア系住民はほとんどいない。ところが、バルト三国の場合は、リトアニアは全人口の5%くらいがロシア人だが、エストニアとラトビアでは25…

1292話 スケッチ バルト三国+ポーランド 11回

韓国人たち リーガにラトビア占領博物館というものがある。Latvijas Okupacijas Muzejsというラトビア語をにらむと、英語のoccupancy(占領)の仲間の単語らしいと想像できる。元アメリカ大使館だった建物だというが、大した建築物ではないことからアメリカ…

1291話 スケッチ バルト三国+ポーランド 10回

フランス人たち リーガの雑貨店で絵葉書を探した。スマホのせいで絵葉書は瀕死の状態かと思いきや、絵葉書になじんだ高齢者からは一定の支持があるらしく、絵葉書を売っている店は多い。その値段は店によってかなり違うから、散歩をしながら、土産物屋や本屋…

1290話 スケッチ バルト三国+ポーランド 9回

タイ人たち 旅行先でタイ人に会うのは、もはや珍しいことではなくなったが、それでもベネチアのような世界的観光地ならいざしらず、バルト海地方だと、やはり驚く。 夕方、リーガの旧市街を歩いていたら、パジャマのような安っぽい上下を着て歩いている女が…

1289話 スケッチ バルト三国+ポーランド 8回

日本人旅行者 「どこに行っても、中国人旅行者ばかりだよ」というのは、今や世界の共通認識なのだが、今回の旅では印象が違った。 ラトビアのリーガに着いた翌日、朝飯が食べられるかもしれないという淡い期待をしつつ、ドアを開けたばかりの中央市場に行っ…

1288話 スケッチ バルト三国+ポーランド 7回

ショルダーバッグ、壊れる ワルシャワにいたある日、朝食のあと散歩に出かけようと、宿の階段を下りているときだった。バサッという音が聞こえた。ショルダーバッグが階段に落ちたのだ。肩から滑り落ちたのではなく、留め金が割れたのだ。 このショルダーバ…

1287話 スケッチ バルト三国+ポーランド 6回

女の書き手 もうだいぶ前からだが、旅の本と言えば、食べ歩きや買い物の情報と写真やイラストを満載したものが多く出版されている。その書き手はほとんど女だ。そういうたぐいの本と私の相性は悪いが、読んで参考になる本の書き手もまた女が多いことに気がつ…

1286話 スケッチ バルト三国+ポーランド 5回

小説のなかの言葉、外国語 下 以前から、外国を舞台にした小説のなかの言葉が気になっていて、アジア雑語林の67回(2004.6.16)で、この問題について書いている。別の回で書いたかもしれないが、例えば『いま、南十字星の下で』(小堺昭三)には、黄金の三角…

1285話 スケッチ バルト三国+ポーランド 4回

小説のなかの言葉、外国語 上 旅に出る前に、ラトビア関連の資料を集めているなかで、『リガの犬たち』(ヘニング・マンケル、柳沢由美子訳、東京創元社、2003)を見つけた。ラトビアが舞台だというそれだけの理由で買ったスウェーデンの警察小説だ。買って…

1284話 スケッチ バルト三国+ポーランド 3回

鉄道 わずかな体験だが、鉄道に関して、エストニアとラトビアには違いがあった。ラトビアのリーガからエストニアのタルトゥに鉄道で行った時だ。直通国際列車というのはなく、国境の街Valkaバルカ(エストニアでは、Valgaバルガ。正確には国境の街ではなく、…

1283話 スケッチ バルト三国+ポーランド 2回

バルト三国は、それぞれ違うのだが エストニア、ラトビア、リトアニアの三国を簡単に説明しておく。 エストニアの面積は4万5227㎢、人口132万人。ラトビアの面積は6万4559㎢、人口196万人。リトアニアの面積は6万5300㎢、人口285万人。バルト三国の総面積17…

1282話 スケッチ バルト三国+ポーランド 1回

北から南へ 今年も、ちょっと旅をした。 バルト三国のひとつ、ラトビアの首都リーガから北上し、エストニアのタルトゥ経由で首都タリンに行った。その短い旅で、「バルト三国はそれほどおもしろくはないかもしれない」という予感がして、「それじゃ、よーし…