2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

573話 排泄文化論序章朝鮮編  その2 

『庶民たちの朝鮮王朝』 1 ある日、本屋の棚に『庶民たちの朝鮮王朝』(水野俊平、角川選書、2013)というタイトルの本を見つけた。もしかしておもしろいかもしれないと思い、目次を点検すると、「・・・乞人。便所。下水道・清渓川・・・」という項目が見…

572話 排泄文化論序章朝鮮編  その1

そもそもの話 いままで不定期ではあるが、年に一度くらいは便所本特集をやってきた。日本語の本はかなり読んだので、革新的なものはもうほとんど望めないので、もっぱら外国の本を紹介してきた。2013年の秋にもアマゾンで検索したのだが、めぼしいものは見つ…

571話 ラオスと米の話

古本屋の棚を見ていたら、「ジャポニカ」というタイトルが見えた。米の話かと思ったら、ラオスを舞台にしたマンガだった。『ジャポニカの歩き方』全7巻(西山優里子、講談社、2011〜2013)の第1巻は、著者の子供時代のラオス体験から話が始まる。父が外交官…

570話 『母と旅した900日』

母は旅に出たいと言った。知らない世界を見てみたいと言った。チベットに行ってみたいと言った。いままで苦労ばかりの人生で、旅行などしたことのない母の夢を、息子はすぐに実現させたいと思った。カネのない息子はリヤカーを改造して、木の箱をつけて母用…

569話 翻訳された世界文学

前回、セネガルの作家センベーヌ・ウスマンのことを書いていて、いくつかのことを思い出した。まず、彼の『セネガルの息子』という小説のことだ。この小説は、1963年に藤井一行訳で、新日本出版社から出ている。「アフリカ文学日本語訳一覧」を点検すると、…

568話 まず、日本を知るということ 

インドネシアの旧都ソロのゲストハウスで、おもしろい経歴の若者と会った。ジャワ島出身だが、バリでレゲエのミュージシャンだった。酒とマリファナと女の日々を過ごしていたが、人生に思うところがあり、正しいムスリムの道を歩むことにしたのだという。遠…