2024-01-01から1年間の記事一覧

2069話 続・経年変化 その35

読書 11 ガイドブック4 『地球の歩き方 インド ネパール』の復刻版が出るずっと前のことだが、日本人のインド旅行史を読みたいから書いてくださいなと天下のクラマエ師にいったら、「そんなの、誰がおもしろいと思うの?!」と、0.002秒で拒絶された。インド…

2068話 続・経年変化 その34

読書 10 ガイドブック3 過去の『地球の歩き方』を調べていて、初期のガイドがデジタル復刻されているのを発見した。『地球の歩き方 3 インド・ネパール 1982-1983(初版復刻版) インド・ネパール初版復刻版』は見つけたのだが、『アメリカ』や『ヨーロッパ…

2067話 続・経年変化 その33

読書 9 ガイドブック 2 手元にあるタイのガイドブックをアマゾンで調べると、半分くらいはヒットした。その売価は数百円から数万円までいろいろあり、1990年代のものが全部高いというわけでもなく、値付けに意味はないようだ。手元のガイドブックのすべての…

2066話 続・経年変化 その32

読書 8 ガイドブック 1 財団法人日本交通公社が運営している旅の図書館には、さすがにガイドブックはある程度はあるようだが、私の興味の対象である日本の若者の海外旅行史資料はほとんどないらしい。蔵書検索の「出版社」で調べてみても、オデッセイはゼロ…

2065話 続・経年変化 その31

読書 7 図書館6 大学で講師をやることになって、役得のひとつは大学の図書館が自由に使えることだなと思った。講師1年目の4月、図書カードを支給されて、講師は学生よりも多くの本を貸し出し可能という説明を受けたが、本を借りることはあまりなかった。読…

2064話 続・経年変化 その30

読書 6 図書館5 マイクロフィルムで昔の新聞記事を読んで、その同時代性にワクワクしたことがあると前回書いた。のちに回想して書いているのではなく、その時の事情だ。1962年のアジア大会(ジャカルタ)の記事を読んで、こういう文章を書いた。アジア雑語…

2063話 続・経年変化 その29

読書5 図書館4 海外旅行が自由化された1964年当時の生の情報に接したくて、新聞記事をマイクロフィルムで読むことにした。後の時代なら、新聞は縮刷版があるのだが、60年代だとマイクロフィルだ。今なら、新聞社のデータベースを利用すれば、自宅(有料)か…

2062話 続・経年変化 その28

読書 4 図書館3 地元の図書館に通ったこともある。 日本人の海外旅行史の研究のために年表などある程度の資料は買い集めた。調べ始めた時期が良かった。1980年が「戦後50年」であり、1989年に昭和が終わったということで、1980年代に入って「戦後」や「昭和…

2061話 続・経年変化 その27

読書 3 図書館2 今でも図書館をほとんど利用していないのだが、高校卒業以降、図書館によく通った時期が何度かある。 最初は、勁草書房などから続々と出版されていた東南アジア文学を読むために図書館に通ったころだ。1970年代末から80年代のことだ。 た…

2060話 続・経年変化 その26

読書 2 図書館 1 高校生になると、読書事情がかなり変わる。学校の図書室を積極的に利用するようになった。私好みの本は多くはないが、新書を中心に読んだ。岩波新書にはおもしろそうなものはあまりなかったが、中公新書はおもしろいものが多かった。ノン…

2059話 続・経年変化 その25

読書 1 中高校生時代 読書と中高生時代の話を始める予定だったが、それは後回しにして、きょうの話をする。 たった今、フィリピンの勉強会から帰宅したところだ。講師は、フィリピン留学経験もあるジャーナリスト大野拓司さん。とりとめのない話だが、フィ…

2058話 続・経年変化 その24

音楽 24 クレージーキャッツ 2 旅行と映画と本のことしか考えていない日々を送っていて、突然クレージーキャッツが頭に入り込んできた。 「スーダラ節」がラジオから流れていた1961年から、小学生の私の耳にも彼らの歌が流れ込んできた。「五万節」、「ハイ…

2057話 続・経年変化 その23

音楽 23 クレージーキャッツ 1 ある歌手やバンドに人生を託すというような若者がいて、そのまま年を重ねていく人がいる。たとえば、私の世代ではビートルズやローリングストーンやボブ・ディランであり、吉田拓郎や中島みゆきや矢沢永吉などの強い影響を受…

2056話 続・経年変化 その22

音楽 22 日本の歌 考えてみれば、日本の本流の歌にはほとんど興味がなかった。本流というのは大ヒット曲のジャンルで、1970年代までの歌謡曲は好きなものもあるが、それ以後のアイドルポップやユーロビートも、「ザ・ベストテン」で取り上げられたヒット曲に…

2055話 続・経年変化 その21

音楽 21最新・流行 決してへそ曲がりからではなく、昔から最新、流行、世の風潮といったものに興味がなかった。本は、小学生時代から自分が読みたい本を選んでいたから、「世界の名作全集」とか「推薦図書」など気にも留めなかった。学校が選んだ図書館の本…

2054話 続・経年変化 20

音楽 20音楽映画 いままで、韓国映画「ゴーゴー60」を紹介し、前回「耳に残るは君の歌声」や「永遠のマリア・カラス」を取り上げたら、音楽映画の話をしたくなった。ドラマもドキュメンタリーも、私が「音楽映画」だと思うものをここで取り上げるが、あらか…

2053話 続・経年変化 その19

音楽 19 クラシック なにげなく耳にしている音楽というなら、ジャズやロックや歌謡曲などよりクラシックの方が、その機会は多い。コマーシャルで使ったり、広報番組などの背後でクラシックが流れているからなじみは深い。有名な曲を、俗に「ポピュラー・クラ…

2052話 続・経年変化 その18

音楽18 クラシック・ソウル その2 前回からの続き。 いままで、ソウルとR&Bの説明をしてこなかったが、じつは明確な区別があるわけではないようだ。ゴスペルの影響が強く、シャウトする唱法が多いのがソウルだという説もあるが、甘い歌声のコーラスもあるか…

2051話 続・経年変化 その17

音楽17 クラシック・ソウル その1 演歌の製作スタッフは、音楽的センスも技量もないと思っていた。毎度毎度、さらに毎度おなじみのイントロと曲調と歌詞で、やはり毎度おなじみの節回しで歌うものを「新曲」として発表する。工夫というものがないのか。だか…

2050話 続・経年変化 その16

音楽 16 ジャズ ラジオから流れてくるその音楽が「ジャズ」と言う名だと知る前から、ジャズが気に入っていた。それを音楽用語で「シンコペーション」というのだとも知らなかったが、普段耳にする音楽のリズムが、ごく簡単に言えば1、2、3、4というように…

2049話 続・経年変化 その15

音楽 15 ブラジル音楽 ブラジル音楽を初めて聞いたのは小学生から中学生になるころだった。今と違って、あのころはラジオしか聞いていない小学生が、英米以外の音楽を耳にすることは、実は幸せにも当時は特別なことではなかった。1960~70年代には、イタリア…

2048話 続・経年変化 その14

音楽 14 ポルトガル圏音楽 ディスク・ユニオン新宿店ワールドミュージック館で買い込んだCDのほとんどは、まったくなじみのない歌手のものだったが、聞いてみればほとんど合格だった。買ったものの、聞いていすぐに捨てたCDはほとんどなかった。事前情報なし…

2047話 続・経年変化 その13 

音楽 13 ワールド・ミュージック 2 90年代末のことだ。あるきっかけから突然、CDを爆買い、大人買いするようになった。 その頃、ブラジルのCDをあさりながらアフリカのCDもチェックしていたが、内容がよくわからないCDを、高いカネを出して買う気にはならず…

2046話 続・経年変化 その12

音楽 12 ワールド・ミュージック 1 タイ人と音楽について書いた『まとわりつくタイの音楽』を出版したのが1994年。そのあと、三輪車の取材に入り、『東南アジアの三輪車』を1999年に出版する。意図したことではないが、20世紀の終わりとともに、私の興味範…

2045話 続・経年変化 その11

音楽 11 タイ音楽 1990年代に入り、私はタイの音楽に深入りしていく。基礎知識ナシ。資料ナシ。90年代はまだ音楽テープの時代で、街にはテープ屋が多くあり、路上に音楽があふれていた。タイに居れば、絶えず音楽に包まれていた。そのときの感覚を、のちに書…

2044話 続・経年変化 その10

音楽 10 民族音楽 民族音楽を音楽の素人である私が勝手に定義すると、ある民族が「昔から親しんでいると認識している音楽」ということにしておこう。「昔から」が100年前でも1000年前でもいい。西洋の王宮や教会の音楽をどう考えるかという点では、「おもに…

2043話 続・経年変化 その9

音楽 9 洋楽ヒット曲 ビートルズの初シングルがイギリスで発売されたのは1962年だが、日本での発売は1964年だった。その頃には、日本でもビートルズが大人気になり…と思っていたが、東芝の販売担当者だった高島弘之氏の話だと、雑誌やラジオでもビートルズの…

2042話 続・経年変化 その8

音楽 8ロックンロール フランスやイタリアの歌謡曲を聞いていた時代から長い時間が流れ、1990年代末から中古CD店に通うようになり、2010年代に入って、アマゾン遊びをするようになり、膨大な出品品から次々にCDを買うようになった。大人買いをするカネはない…

2041話 続・経年変化 その7

音楽 7 カンツォーネ 歌をフランス語ではシャンソン(chanson)、 イタリア語ではカンツォーネ(Canzone)というのだが、日本では限定的な意味でフランスの歌謡曲がシャンソンで、1960年~70年代イタリアの歌謡曲をカンツォーネと呼んでいる。カンツォーネ…