2054話 続・経年変化 20

音楽 20音楽映画

 いままで、韓国映画ゴーゴー60」を紹介し、前回「耳に残るは君の歌声」や「永遠のマリア・カラス」を取り上げたら、音楽映画の話をしたくなった。ドラマもドキュメンタリーも、私が「音楽映画」だと思うものをここで取り上げるが、あらかじめ断っておかなければならないことがある。ひとつは、私はミュージカルがあまり好きではないということで、例外として「サウンド・オブ・ミュージック」と「ムーラン・ルージュ」の2作はおもしろかったと言っておきたい。もうひとつのお断りは、歌手やバンドの自伝的感動物語というのは、どうも苦手だ。ストーリーは似たり寄ったりで、役者の歌を聞くくらいなら、オリジナルを聞いたほうがいいと思うからだ。ただ、やはりその例外として「グレン・ミラー物語」と「ベニイ・グッドマン物語」を挙げておきたいのは、この2作でスウィングジャズの入門編を体験したからだ。新しい作品では「ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイを挙げておこう。音楽と政治を描いていて、単なる伝記映画ではない。それに加えて、ビリー・ホリデイを演じたアンドラ・デイの歌唱力がすばらしかったからだ。ダイアナ・ロスの「ビリー・ホリディ物語」とは比べ物にならない秀作だ。

 以下、私が「いいな」と感じた音楽映画の名を挙げておく。インターネットで「音楽映画」を検索すると、「映画音楽」の誤記と認識されることが多く、その障害をすり抜けていくと、ネットにあがっている音楽映画リストは配信の広告がほとんどで、商売を離れるポリシーはない。「あーあ」、である。私のリストは当然、商売とは関係ない。それぞれの作品の紹介をするときりがないので、興味があれば、ご自分で調べてください。順位はまったく意識していないが、ただ、圧倒的第1位は決まっている。ブルース・ブラザースだ。テレビ番組表にそのタイトルがあると、ついつい見てしまう。ただ、残念なのは続編がつまらなかったことだ。

 期待外れの音楽映画は、実は多い。「スタア誕生」(A Star Is Born)の1937年版(ジャネット・ケイナー)は見ていないが、1954年版(ジュディ・ガーランド)、1976年版(バーブラ・ストライサンド)、そして2018年版(レディ・ガガ)も、ピンと来なかった。

 「お断り」が長くなりすぎた。さて、行くぞ。今現在、こういう音楽映画が好きだという、とりあえずのリストだ。

ウッドストック・・・観客がやってくるシーンで流れるテーマ曲とサンタナの演奏がいい。

マッドドッグス&イングリッシュメン

サマー・オブ・ソウル・・・これもすばらしい。

シェルブールの雨傘・・・なんか、いいんだよね。

フォー・ザ・ボーイズ…第二次世界大戦からベトナム戦争までの軍の慰問歌手の話。

アメリカン・グラフィティ

グッドモーニング・ベトナム

ジャージーボーイ

パイレーツ・オブ・ロック・・・イギリスではラジオでロックは放送禁止だった。

海の上のピアニスト

戦場のピアニスト

スウィング・ガールズ

ビエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

レッド・バイオリン

風の丘を越えて 西便制・・・ブルーレイが発売されたのはうれしいが、11000円だ。

ナビィの恋

ラッチョ・ドローム・・・各地のロマ音楽を紹介。2002年

Africa Live: Roll Back Malaria Concert・・・ロックはエイズに注目したが、マラリアは無視した。

AFRICA CALLING - LIVE 8 AT EDEN・・・イギリスで開催されたアフリカ音楽コンサート

迷子の警察音楽隊 2007年のイスラエル映画・・・なんとなく、可笑しい。

ピアノ・ブルース クリント・イーストウッド監督の音楽ドキュメント・・・総監督はスコセッシ。映画館では未公開。

 ああ、あれもこれもと、次々に思い出の映画が浮かんでくる。このリストに入っていない「我が名作」は多い。