902話 イベリア紀行 2016・秋 第27回

 ガリシア


 ビーゴのあるガリシア地方を中心に、その外側でもガリシア語が使われている。ポルトを出た列車がビーゴのギサール駅に着いたときに、その事実に気がついた。駅の表示が二段になっているのだ。2年前、バルセロナ空港に着いたとき、表示が二段になっていることに気がつき、これはカスティーリャ語スペイン語)とカタルーニャ語の両方で表示しているのだとわかった。以後、カタルーニャでは至る所でこの二段の表示を見た。
 ビーゴのギサール駅に着いて、車窓から見た駅の表示が二段になっているので、ああ、そういうことかと気がついたというわけだ。いままではポルトガル語だけの世界にいたが、これからは多言語の世界に入っていく。それがポルトガルからスペインに入るということだ。
 ガリシア語を勉強しようという気持ちはまったくないが、少しは気になったので、列車を待つ間ヒマなので、ウルサイス駅のカフェのメニューをメモしておいた。上段がガリシア語、下段がカスティーリャ語スペイン語)だ。表記が面倒なので、 アクセント記号は省略する。

Cafe express 1.20€
Cafe express

Cafe con leite 1.35 ,1.50€
Cafe con leche

Chocolate a cunca 1.85€
Chocolate a la taza

Cortado 1.25€
Cortado

Capuchino 1.50 , 1.60€
Capuccino

 Lecheは牛乳だから、Café con lecheはミルク入りコーヒー、フランス語ならCafé au lait、イタリア語ならCaffe latte。ガリシア語のCafé con leiteはポルトガル語と同じ。ポルトガルでは「カフェ・コン・レイテ」、ブラジルでは「カフェ・コン・レイチ」という発音になる。
 ただし、私のわずかな体験と知識では、ポルトガルのミルク入りコーヒーは、次のようになる。ホットミルクにコーヒーを少し入れたものを、Garotoガロット。逆に、エスプレッソにミルクを少し入れると、Cafe Pingadoカフェ・ピンガード。コーヒーとミルクを同量入れたのは、Meia de Leiteメイア・ドゥ・レイテ。以上は、エスプレッソを入れる小さなカップで飲むが、Galaoガラオンと言うと、ミルクコーヒーをガラスコップにたっぷり入れて出してくれる。
 Chocolate a la taza は、ホット・チョコレートのこと。Cortadoは、ミルクをほんの少し入れたコーヒー。
 スペインのコーヒーについては、項を改めていずれ書く予定。
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