1160話 桜3月大阪散歩2018 第14回


 統計資料で見る大阪の位置 後編


 なかなあ終わらない話なので、さらにもう一回やる。
■面積・・・大阪府の面積の話をすると長くなるというのは、大阪人の常識だろう。ここではごく簡単に触れる。かつて、都道府県でもっとも狭いのが大阪府だった。全国最下位の47位が、1988年に香川県と入れ替わった。香川県の井島と岡山県石島は名は違っても同じ島で、島内に県境があるのだが、未確定部分がある。1988年に、国土地理院は未確定部分は香川県の面積に加えないと決定したために、ほんのわずかな差で、面積最下位が大阪から香川に入れ替わった。未確定部分が香川になったとしても、大阪が最下位を脱出する事態がその後生まれた。1994年に開港した人工島の関西空港である。その後、大阪では埋め立て工事が進み、香川との差が広がってはいるが、僅差であることに変わりがない。インパクトという点では、「日本でもっとも狭い大阪!」のほうが良かったのだろうが・・・。
 島のことを調べていたら、海があっても島のない都道府県とか、島はあっても有人島はないのはどこだなどということが気になって、http://imagic.qee.jp/といったサイトを見て遊んでいたので、1時間ほど寄り道をした。文章を書いていても、こういう散歩をよくやる。雑学遊びが好きなのだ。
■外国人・・・大阪市在住外国人の多くは韓国・朝鮮人で、大阪市はその影響を強く受けている。ちなみに、中国人住民の比率は、都道府県別でも市町村別でも、大阪はトップ20にも入っていない。
http://area-info.jpn.org/FornPerPopAll.html
 市町村別外国人比率番付というのがある。人口100人当たり外国人住民がどれほどいるかというランキングで、トップ10はこうなる。
1、大阪市生野区 
2、川上村(長野県) 
3、大泉町群馬県
4、南牧村(長野県)
5、新宿区(東京都)
6、美濃加茂市岐阜県
7、大阪市東成区
8、神戸市中央区兵庫県
9、大阪市浪速区
10、坂祝町岐阜県) 
■自転車関連のランキング。放置自転車数ワースト1は長い間大阪府が1位だったが、最近やっと1位を脱出したらしい。しかし、自転車の危険運転調査では、大阪府が栄えある第1位(もちろんワースト1)になっている。
■地下街・・・大阪市は地下街の街という印象が強いが、専門家がきちんと調べた資料が発表されている。都市地下空間活用研究会の資料だ。
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK0602G_X00C11A9000000
この資料によれば、駅の地下街というカテゴリーでは、全国一広いのは小田急エースや新宿サブナードなどがある東京・新宿駅周辺だ。以下、名古屋・栄駅地下が2位、名古屋駅地下が3位で、大阪・長堀橋駅地下が第4位。私を悩ませた梅田駅地下は6位。広い地下街ベスト10のうち大阪の地下街は2か所しか入っていない。
 地下街店舗面積ランキングでは、その様相が変わる。地下街の店舗面積ベスト3では、1位東京八重洲地下街、2、なんばウォーク、3位ホワイティうめだである。つまり、地下街総面積は広くないが、店舗面積は広いということだ。大阪は地下街日本一のはずと考える人は特に大阪に多いのだが、統計上そうならない理由がきちんと説明されている。似た語だが、地下街と地下階の違いだという話は「大阪の地下街はなぜ一番ではないのか」
https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK2002R_Q1A920C1000000?channel=DF130120166138&style=1
■所得・・・総務省の調査による市町村別所得ランキングというのがある。第1位は東京都港区だが、大阪府の市町村の順位は以下のようになる。大阪市は、実はあまり豊かではないことがよくわかるようでいて、本当かという疑問も多い。国際都市大阪は世界の常識(大阪の常識は世界の常識)にならい、表に出てこない裏資金が豊富にあるから、普通の調査では出てこないということか?
33位 箕面市
39位 豊中市
40位 吹田市
73位 池田市
108位 大阪狭山市
109位 茨木市
158位 枚方市
170位 交野市
174位 高石市
184位 堺市
201位 富田林市
201位 大阪市
以下略。

 こういう統計資料は、扱い方や発表媒体によって大きく変わるから「正確」の度合いが違う。これ以上やってもキリがないので、これで終わる。
大阪の漫才風に言えば、「いい加減にしなさい!」か。


 大阪にいたのは、こういう季節だった。桜が満開の四天王寺境内を抜けて、住宅地に入り、自動車が入れない路地を歩いていたら外国語が聞こえた。前を歩いている若い男女がしゃべっていたのは、タイ語の東北部方言(イサーン方言)だった。どこに行くのか気になって尾行したら、ホテルの裏口ドアを開けて、「おはようございます!」となかに声をかけた。従業員らしい。