314話 ワード&エクセルが嫌いだ

 アジア雑語林がアジア文庫HPから、このHatena Diary内に引っ越してきてしばらくたつが、いまだになじめない。うまく使えないのだ。
原稿はワードで書いて、それをコピー&ペーストしているのだが、ワードでちゃんと書いた原稿が、移転するとぐちゃぐちゃになってしまうのだ。
 まず、「改行1字下げ」が無視される。よくわからないのは、常に無視されるわけではなく、最初の段落では1字下げがあり、あとの段落では、1字下げが無視されたりする。その時によって違うのだ。当然のことだが、原稿はちゃんと書いている。私は、1字下げを無視する文章は、メールでさえ書かない。
 次の問題は、改行すると自動的に「1行アキ」に設定されていることだ。モニターで読む場合は、その方が読みやすいということは確かにあるが、例えば、「2010年 私の読書ベスト10」のような文章を書くと、リストがすべて1行アキになって、なんとも間が抜けた印象になる。あとで訂正出来るのかもしれないが、いじると取り返しのつかないことになるかもしれないので、「編集」でいじっていない。
困ったことはまだまだある。ある語を強調しようと、手間をかけて太字にして移転すると、文字のすべてが「装飾なし」に戻ってしまうのだ。普段記号などほとんど使わないが、それでもフリガナなどつけると面倒なことになるかもしれないので、ここではなにもしない。
 じつは紙面がさみしいと思い、写真を入れたこともあるのだが、これも移動したら写真が消えてしまった。原因を探って対策を考えるのは時間の無駄だろ思い、以後、写真を入れる気を失くした。面倒なのはいやだ。
このように、「いやだ」といっていて、それで済んでいる境遇を喜んでいるのだが、もし私がサラリーマンだったら、デジタル・ノイローゼになっていることだろう。こういう文章を読んで、「バカ、まぬけ」とか「時代遅れ」とか「デジタル&機械オンチ」などとつぶやいた人もいるだろうが、正直、「もういいや」という気持ちだ。携帯電話だって使えないのだから、それでもいいやという気分だ。ビジュアル面に神経を使わない分、文章の内容の深さや正確さに神経をつかえばいいのさという心境だ。
 パソコンは調べるには便利だが、ワードやエクセルは嫌いだ。
 ネット上のエッセイは、1本800~1000字程度が望ましいというのが、読者の立場だ。読む人のことを考えず、だらだら長い文章を書く人がいるが、とびきりのおもしろさでもないと、まず読まれない。そういうことはわかっているので、私も1000字程度で終わろうと思うのだが、書いているうちに内容が広がり、どうしても1回で終われず、2回でも終われず、連続モノになってしまうことが多い。こういう形態がいいと思っているわけではないが、1度に5000字の文章を載せるのはまずいと思うので、どうしても、回を重ねることになってしまう。書きたいテーマが頭に浮かび、下調べをして、文章を一気に書き、保存する。そうしてしばらく寝かせて、内容の訂正や加筆などをしてから発表するというスタイルが好きなので、今起こっていることをすぐに書いて発表するというのは苦手なのだ。
 読む人のことを考えていないといえば、大阪人(あるいは暴走族)のように「目立ってナンボ」というようなページを作っている人がいるが、あれはつらい。下品だ。地が赤とか、文字は黄色と緑とか、やたらにでかい文字を使ったりというものは、例え内容に興味を持っても、そういうページはすぐ閉じる。匿名の文章も、よほどおもしろいものでない限り、読まない。