826話 ラジオ番組テーマ曲 その2


 前回、「丸井 ミュージック&モア」という番組に関して、「1970年代の後半や80年代に、夕方のラジオ番組をよく聞く生活をしていたわけではないので・・・」と書いたが、どうやら怪しくなってきた。音楽番組のテーマ曲を調べているうちに、NHKFMで16時から放送していた「軽音楽をあなたに」を聞いたことがあるという記憶が、そのテーマ曲から蘇ってきたからだ。この曲は、よく聞いた。Stuffの「My Sweetness」
https://www.youtube.com/watch?v=Pi2IG1EmNlI
 4時からの番組に記憶があるなら、6時からの番組も聞いていたかもしれない。今も昔も、売れないライターには音楽を聞く時間はいくらでもある。このテーマ曲を聞きながら、「ああ、おぞましきフージョンの時代だったなあ」などと思うと同時に、NHKらしき滑稽さも思いだした。アナウンサーは、「次の曲は、ザ・ローリング・ストーンズさんの歌と演奏で・・・」といった具合に、「敬称略」にはしないのだ。昔は、そういう内部規約でもあったのだろう。それからだいぶ経って、民放と同じように「敬称略」の放送に戻ったのだが、NHKの「ラジオ深夜便」に、「NHKは、あの美空ひばりさんを呼び捨てにするとはなんたることか!」と、曲紹介に怒りの投書があったのを覚えている。その時は芸能人やスポーツ選手には敬称をつけないといった説明をしていた。そういう人たちがいるからか、かつてはNHKのアナウンサーが進行する音楽番組では、「芸能人全員敬称付き」でやっていたのだ。しかし、「王さん、長嶋さん」はなかった。スポーツ選手は、NHKでさえ中継やニュースでは呼び捨てだった、と思う。
 深夜放送「ジェット・ストリーム」は、今でも放送しているが、案内役の大沢たかおの声としゃべり方がどうも、いけない。肌が合わない。格調や優雅さがない。しかし、テーマ曲の「ミスター・ロンリー」は、ボビー・ビントンの歌でも演奏でも、何百回も聞いた今でも、心に響く。
https://www.youtube.com/watch?v=mYvBBl1WAvU
https://www.youtube.com/watch?v=tC7NCSCH4xU
 毎週金曜日の放送の、「ミッドナイト・オデッセイ」というコーナーで使われていたのは、Art of Noiseの「Robinson Crusoe」。当時はまったく知らない曲だった。
https://www.youtube.com/watch?v=w2xxifRwNkQ
 J−WAVEの放送が始まったのは1988年10月からだが、それ以前から試験放送を流していた。おそらく現在でも、局のイメージ音楽のような形で放送していると思われるのが、Richard Burmerの「Across the View」。「本日の放送は、これで終了します」というアナウンスのバックに流れているのがこの曲だと思う。
https://www.youtube.com/watch?v=CiFiagAgQV8
 音楽中心の新しいFM局ができると期待していたのだが、「なんだかなあ」と阿藤快の口癖のような気分だった。そう感じた人が少なからずいたようで、ウィキペディアは、「音楽ジャンル別FM局が存在するアメリカに倣い、バブル景気中に各地で設立された“お洒落な音楽だけを流し続ける”FM局の一つ」だったと解説している。「お洒落な音楽」が嫌いな私は、あまり聞かなかった。「日本語の歌は、局の方針に合わないので、極力放送しない」と宣言し、チャラチャラした日本語の歌だけは放送していた。今は「つまらないAM局」のような内容になり、おしゃべり番組が多いので、まったく聞かなくなった。