951話 イベリア紀行 2016・秋 第76回

 鉄道博物館


 いつものように、「どこへ遊びに行こうか」と考えながらミシュラン地図を眺めていたら、アトーチャ駅の南に、”Museo del Ferrocarril”があるのを見つけた。鉄道博物館だ。鉄道にとくに興味があるわけではなく知識もないが、アトーチャ駅の南には行ったことがないので、朝食後に南に向かって歩きだした。アトーチャ駅を過ぎると外国人観光客の姿は消えて、道は下り坂になる。マドリッド河岸段丘だから、この辺りでは「下り坂」は「南下」を意味する。
 Deliciasデリシアス通りを南下すると、左手に小さな駅が見えてきた。地下鉄駅ではない、地上部に駅舎があり、改札口も見える。マドリッドにこんな駅があるとは知らなかった。駅の看板を見ると、”Delisias”とある。デリシアスはこの地区の名であり、郊外電車セルカニアスの駅であり、その旧駅舎が現在の鉄道博物館だ。
 デリシアスの新駅から1ブロック南下すると、左手に鉄道博物館の幕がでている。「本当にここかなあ」と思わせるような敷地を歩いて行くと、旧駅舎が見えてきた。朝のまだ早い時刻なので、その日最初の入場者となって、中に入った。古い車両が展示してある。なぜか、talgoという鉄道用語は知っていた。小説に出てきたのだろうか。鉄道用語ということは知っていても、その意味を知らないので調べてみた。
 「Tren Articulado Ligero Goicoechea-Oriolの略で、一軸台車連接型客車およびそれによる列車の総称」というのがネット辞書の説明で、『リーダーズプラス』では、”a light jointed Train”と説明しているが、何もわからない。
 鉄道に詳しくはないが、古い車両を見ていると、在りし日の旅を思い浮かべて、ちょっと楽しくなる。ジオラマなどを見ているうちに家族連れも来て、食堂車を利用したカフェが開店した。ジオラマを見たら、スキー場がある。スペインのスキー場はフランスとの国境近くのピレネー山脈のほか、南部のシエラネバダにもある。そういうこともわかる。
 今回は、素人が説明してもしょうがないので、写真だけを見ていただこう。わかる人には、わかるだろう。
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