1170話 桜3月大阪散歩2018 第24回

大阪スケッチ その1


桜満開のころの旅物語は、盛夏になって終わりを迎えた。最後は大阪スケッチ、あるいは写真の落穂ひろいをお届けする。昨今のテレビドラマのまねをする気はないのだが、最終回が1回では終わらないので、「最終章 その1」という構成で、2回にわたって書くころにする。1回目は、以前に書いたネタなのだが、また書いておきたい食べ物の話。


大阪に来るたびに、うどんを食べてみる。「食べる」ではなく「食べてみる」というのは、大阪のうどんの正体を知りたいからだ。うどんが柔らかいのは昔から知っているが、いままでの経験で「汁がひどく塩辛い」と感じている。今回は、大阪でこのうどん屋を知らない人は少ないと思われる有名店「千とせ」の肉うどんを食べてみた。私には、やはり汁の塩分が強すぎる。東京のうどんをうまいとは思わないが、同時に関西のうどんもなあ・・と思うので、「うどんは讃岐」が私の好みである。


 「大阪はうどん。だからそば屋はほとんどない」という固定観念がある東京人が少なくないような気がするが(和田アキ子もそんなことを言っていたが)、じつはそば屋も結構ある。だから「名物」の看板を掲げるのだろうが、「深川」は東京にルーツを持つと言いたい屋号か?


 うちの近所のスーパーマーケットでは見ない野菜が多くあり・・・

 ああ、今年も若ごぼうの季節に大阪に来たなあという感慨。しかし、まだ若ごぼうを食べたことがない。たぶん、そんなにうまくはないだろうが・・・。


 鶴橋の南、御幸通商店街の食材屋。これだけ多種多彩のキムチは、東京の新大久保でも売っていないと思う。大阪に住んでいたら、毎月何回かは通うだろうなあと思った。

 大阪と言えば、クジラである。「さらし」とは尾の部分の薄切りをゆでたもの。「ころ」は皮を揚げて乾燥させたもの。

 鶴橋の韓国料理店に入りチゲを食べる。店主と従業員と客の会話が弾んである。家族連れのような客が入ってくると、会話は日本語と韓国語のチャンポンになった。在日1世や2世や3世と、韓国人客(親族か知り合いの観光客か、最近やって来たいわゆるニューカマーか)が混在しているのだろうと想像しながら昼飯を食べた。