1321話 スケッチ バルト三国+ポーランド 40回

 リーガ 19世紀から20世紀の建物 アール・デコがあるのかな?

 

 19世紀末から20世紀初めにかけて流行したアール・ヌーボーのあと、鉱物をイメージさせる幾何学的デザインを基調としたアール・デコが話題となる。時代的には1930年代あたりからだ。アール・デコは「装飾芸術」という意味だが、ロココアール・ヌーボーほどゴテゴテの装飾はなく、ガラス張りのモダン様式ほどの無愛想ではなく、建築に詳しくない私が「なんとなくいいな」と感じる建築は1930年代あたりのものだ。ただし、私の建築の興味はあくまで一般住宅であって、大通りにそびえ立つ巨大建造物ではない。

 6月24日の夏至祭りは、祝日でほとんどの商店は休業している。30度近い気温の中、人気のほとんどないリーガの街を巡った。「新市街」と呼ばれているが、19世紀から20世紀初めあたりにできた街で、装飾性が少ないのが私の好みにあっている。「これ、ちょっとアール・デコかな?」という建物もあるが、プラハの建築物ほど保全の手が入っていない。簡単に言えば、「汚いまま」というのが多いが、以下、リーガ新市街の建築スケッチだ。

 

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  出窓の鉄線がいい。

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  「何の建物か?」と思って窓越しに内部を覗いて、工場だったという記憶がかすかにあるのだが、はっきりとは覚えていない。調査をしているのではないので、メモなどしていない。

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 どう考えても、ガラス張りのビルよりもこういうビルの方が美しいが、建築費が相当高くなるはずだ。ガラス張りのビルは、壁と窓が一緒だから、工事が実に簡単ですぐにできる。

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 なんだか、ちょっといいでしょ、この入り口。

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 私の好みで言えば、「顔」はない方がいい。建物の装飾がだんだん少なくなり、やがて「豆腐のように白い四角い箱」となるモダン建築の時代になるのだが、その直前の、こういう建築物の時代が好きだ。