2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

356話 校正・校閲、あるいは編集者の仕事  3

職業柄、日本語など言語に関する本や、校正について書いた本などもよく読むのだが、校正エッセイの傑作と言えば、元校正者で現小説家が書いた『活字狂想曲 怪奇作家の長すぎた会社の日々』(倉坂鬼一郎、時事通信社、1993。のち幻冬舎文庫、2002)だ。編集者…

355話 校正・校閲、あるいは編集者の仕事  2

それほど数は多くないが、新聞社から依頼されて文章を書いたことがあるのだが、あまりいい思い出がない。ライターとして新聞の編集者とつきあうのは、できれば遠慮したい気分だ。 その理由はふたつある。ひとつは、あらかじめ新聞社が決めたシナリオ通りの文…

354話  校正・校閲、あるいは編集者の仕事  1

何回かにわたって、校正や校閲の話を書く。いつもは、「1/3」のように、全3回の1回目といった表記をするのだが、今回は次々と書きたいことが浮かんできそうだから、「掲載回数不明」のまま出発する。 さっそく、始めるか。 インターネット上の文章を読ん…

353話 これは、陰謀なのか、それとも単なる忘却なのか 

つい最近、私のまわりでちょっとした事件が連続して起きた。読みたいと思った本がなかなか見つからないというのはよくあることなのだが、今回見つからない本は、重要度においてSクラス、つまり最重要資料に入る本なのだ。このひと月ほどの間に行方不明だと…

352話 阿佐谷時代  3 /3

山手線の車内で、偶然にもシローさんとでくわしたことがある。1980年代に入っていたと思う。 「おお、久しぶり。元気? なに、ヨドバシの帰り?」 私が手に提げている紙袋を指さして言った。 「PKRを、30本買ってきたところ。へぼライターのくせに、生…

351話 阿佐谷時代   2/3

75年の秋だったろうか、いつものようにシローさんのアパートに行くと、居候がふたりいた。シローさんがアフガニスタンで出会ったというスイス人の男がふたり、阿佐谷の6畳一間の若夫婦の部屋にもぐりこんでいたのだ。ふたりはこのアパートを基地に、仕事と…

350話 阿佐谷時代    1/3

1970年代の後半の私は、「阿佐谷時代」とでも呼びたい濃密な時間をあの街で過ごした。あの街に住んでいた訳でもなく、路地から路地へと四方八方と歩きまわったわけでもなく、阿佐ヶ谷駅(駅名は、阿佐ヶ谷。地名は東京都杉並区阿佐谷だからややこしい)から…

349話 LED電球の寿命と将来

新聞に入っていたホームセンターの折り込み広告に、「LED電球 驚異の寿命 20年間交換不要!!」というキャッチコピーがあった。ある資料では、白熱電球の寿命は、1000時間、電球型蛍光灯は6000時間なのに対して、LED電球は4万時間の寿命だという。1…

348話 蛇足だが、再び韓国関連の話を 

前回の文章を書いてすぐ、また、韓国関連のネタが見つかった。 前回、『食客』というマンガの話をしたが、ついさっき近所のブックオフで、『美味しんぼ』(原作:雁屋哲、作画:花咲アキラ)のテーマ別特集編『美味しんぼ ア・ラ・カルト11 ―うまさ爆発! 焼…