この連載は年長者の読者を考えて、1回分の長さは千数百字程度を目標にして書いているので、長くなる場合は何回かに分けて掲載している。若者はどうだか知らないが、私はモニターで長文を読むのはつらいのだ。読み続ける根気をなくす。1回分にはならない短いネタの場合は、何本かを合わせて「抱き合わせ1本」になればいいのだが、そうならない場合は、ボツネタになっている。そこで、今回は短いネタを列挙するコラムにした。旧式ツイッターといってもいいか。
■テレビの旅番組などで、北海道のカニラーメンを紹介しているシーンを見るたびに腹が立つ。カニを食べていると、麺が伸びるだろ。取材先で伊勢海老の味噌汁を取材したことがあるのだが、これも食べにくい。見た目のインパクトだけで作った料理だが、それにだまされる客がいるから、いつまでもなくならないのだろう。
■夕方のニュースでは、大盛りの上の「バカ盛り」がある店をよく紹介しているが、あれは、バカがバカのために作った料理なのだろう。宣伝目当てだと言うことは、わかっているが・・・。
■こういう食べ物番組によく出てくる芸能人諸君、まずは箸の使い方を練習してから出演していただきたい。ウンチクを語りたがるあの人も、この人も、変だ。あの人は、箸が交差しているぞ、師匠。あっ、箸が使えない落語家は何人かいるなあ。
■「瞳を閉じて」(荒井由実)や「瞳をとじて」(平井堅)のほかにも、タイトルや歌詞に「瞳をとじる」という句が入っているものが多いそうだが、音楽関係者は、瞳とまぶたの区別がつかず、どちらも同じように自由に開閉できると思っているらしい。
■「さくら、桜」の歌が多くなっていることに、いやなものは感じませんか?
■だいぶ前から「ああ、いやだ」と思っているのは、なんでもやたらに「DNA」を使いたがるマスコミのヤカラ。「自然を愛するという日本人特有の感情が刻まれたDNAが・・・・」とかね。最近では「草食男子」という言葉が大好きなマスコミにも腹が立つ。草食動物は繁殖力が弱いとか、生存能力が弱いと、動物を知らないヤカラが、勝手に決めつけている。
■喫煙者が減れば、日本の医療費は低くなるなどと、禁煙運動家たちは口にしているが(NHKのニュース番組に出演した某大学教授の発言)、医療費など社会福祉費用を押し上げているのは、長寿社会である。長生きする人が増えれば増えるほど、医療費などの社会福祉費用も増大する。喫煙者がどんどん若死にすれば、いやほかの病気でもいいが、日本人がもっと若くして死ぬようになれば、社会福祉費用は安くなる。60歳直前に死ねば、年金受給者はほとんどいなくなる。
■今のところ、今年もっともびっくりした発言は、短期間ではあるが外国を何度も旅してきた若者が、「ケータイを持たないで旅するなんて、国内はもちろん外国だって無理ですよ。そんなの、考えられませんよ!」。それほどまでに、日常を引きずっていたいのか。パソコンを持って旅する「デジタルさん」(英語では、Flashpackerともいうらしい)には、当り前の発言で、「だから?」と聞き返されるだろうが。バックパッカーと出張ビジネスマンの違いがだんだんなくなってきている。
■ケータイの画面を見ながら駅の階段を下りている人が多い。足を踏み外して自分ひとりが転落するなら自業自得というだけだが、子供や年寄りを巻き添えにして転落すれば、殺人者にもなりうる。そういう想像力のない者が、ケータイ依存症患者。これが、じつに多い。
■ブログなどで、本名を名乗れないようなことを書いているから匿名にしているというならわかるが、意味もなく匿名にしている理由がわからない。コメントを送るときも、「通りすがり」などと匿名にする必要があるのだろうか。書いていることに自信がないからだろうか。
■我がワードがへそを曲げている。漢字変換がおかしいのだ。ときどき、ぐれて、暴走族のメンバーになってしまうようで、「とし」と打つと,「歳」でも「年」でも「都市」でもなく、「屠死」とか「屠市」に変換されてしまう。「と」と「し」を別々に変換しようとするのだ。この問題はなんとか解決したが、目下悩まされているのが、「はこ」だ。こう打つと「歯子」になってしまう。単語登録をしようが、どうしようが、単独で「はこ」は変換できない。だから、「ごみばこ」などと打って変換し、「ごみ」を消すしかない。ああ、機械は嫌いだ。実は、今回のコラムはアップしようとして突然消えてしまい、書きなおしたのだ。その前には、突然、字が小さくなり、レイアウトが変わってしまったりと、トラブルに見舞われた。キカイは、嫌いだ。
■「真夏日です」などと言いながら、節電の情報を読むスーツ姿のアナウンサー。テレビのスタジオは、さぞかし寒いことでしょう。