1168話 桜3月大阪散歩2018 第22回


 散歩者の敵 大阪の自転車について考える

 自転車と路面電車で簡単に移動できるくらいの広さの街が好きだ。だから、東京や大阪は大きすぎるのだが、大阪は自転車の街でもある。大阪のように平坦な街はほかにもあるから、大阪に自転車が多い理由がよくわからない。
 歴史的に見て、大阪には電車やバスなど公共交通機関がほとんどなかったというなら、「しかたなく自転車を使った」と説明できるが、事実ではない。大阪人が、オランダ人のように環境や健康を考えて自転車を愛用しているとは思えない。じつは、自転車が普及する国としない国の違い、つまり「自転車の比較文化論」というのは非常に興味深いテーマなのだが、それは別の機会に書こう。
「なぜ、大阪人は自転車によく乗るのか」という大問題の解答は見つからないから、ここでは「大阪と自転車の現状」を、以下の資料を読んで頭に入れた。
https://cyclist.sanspo.com/210648
https://www.sankei.com/west/news/160307/wst1603070021-n1.html
http://www.sankeibiz.jp/express/news/160308/exc1603080800001-n1.htm
 自転車に限った話ではないが、自転車の問題を考えても大阪が「無法地帯」だとわかる。ルールや法律やマナーと大阪は、相性が悪いということがよくわかる。
大阪の自転車事故に関する大阪人の意見がネットに出ていた。大阪でなぜ自転車事故が多いのかというと、警察がアーケード商店街や歩道から自転車を追い出したからだという屁理屈だ。
http://xn--110-rf4b302pzd3bcnm.com/illegal-police/bicycle/

 車道に出た自転車も、もともと車道を走っていた自動車も、「ルール、法律、マナー」にあまり頓着しないのが大阪だ。歩道では加害者だった自転車は、車道でも今までと同じように車線も信号も平気で無視すると、自動車と衝突する。それが事故や違反の理由だ。警察の指導とは関係ない。
 散歩者である私にとっては、車道で自転車がどういう運転をしていようが関係ないのだが、歩道や商店街では大いに迷惑をこうむっている。暴走自転車の傍若無人(傍らに人などいないかのごとき)ぶりには、危ない思いをしている。幸せにも今回は雨の日の散歩はなかったのだが、傘をさして自転車に乗る大阪人や、傘固定スタンドに傘をさして突進してくる自転車が、歩行者をおびやかす事故もあるらしい。
 映画「ブラック・レイン」のロケ地が大阪だったことでもわかるように、大阪は国際都市なのである。犯罪都市という意味でも、大阪は東京よりも国際水準に近い。
ふと思う。日本には2種類の人間が住んでいる。大阪人とそれ以外の人たちだ。