NHKの地方局が作った散歩番組を時々見る。ローカル番組を全国放送しているようだ。つい先日見たのは枚方編だ。これで「ひらかた」と読めるのは大阪人だが、子供時代に行ったことがあるから、私はまず耳で知りのちに文字を目で知った場所だ。枚方といえば菊人形というのが、中高年の関西人の常識である。
全国放送のテレビで大阪といえば、たこ焼き&吉本&新世界の大阪だけだから、おもしろくない。大阪府全域で、おもしろい場所はいくらでもあると思うのだが、どうも日本人は大阪が嫌いなんじゃないかと思えてくる。私の調査ではそうなる。
JTB出版から「ニッポンを解剖する!」というシリーズが出ている。以下、そのラインアップを紹介する。
『ニッポンを解剖する! 東京図鑑』 (2016.8)
『ニッポンを解剖する! 京都図鑑』 (2016.8)
『ニッポンを解剖する! 名古屋 東海図鑑』 (2016,9)
『ニッポンを解剖する! 沖縄図鑑』 (2016,12)
『ニッポンを解剖する! 金沢 能登図鑑』 (2018.2)
『ニッポンを解剖する! 北海道図鑑』 (2019,4)
2019年以後出ていないということは、売れていないということだろう。『名古屋』を試し読みで紹介しているように、紙面をみれば、じつに見事な「前川好みの本」だ。だから、売れないのかもしれない。多くの旅行者が興味を持つのは、「おいしい店と楽しい買い物」だから、旅先の詳細情報は必要ないということだろう。
上記ラインアップを見て気がついたはずだが、『大阪』がない。編集者が大阪嫌いということはないだろう。たとえ、本当に大阪嫌いであっても、売れると判断すれば出すのが商売の常識。だから、「大阪本は売れない」というのが、出版社の判断だ。
コロナ禍で「地球の歩き方」は、新たな企画を考えなければいけなくなり、読む旅行本のシリーズを出し、そのあと国内編ガイドを出している。現在までのラインアップを書き出す。
J00 『日本』
J01 『東京23区』
J02 『東京 多摩地区』
J03 『京都』
J05 『北海道』
J06 『?』
J07 『埼玉』
J08 『千葉』
J09 『札幌・小樽 札幌10区・北広島・登別・余市・ニセコ・積丹』
J10 『愛知』
さて、未完のJ06はどこだろう。『兵庫 神戸』か、『横浜 神奈川』か、『福岡』か、『金沢 北陸』か? 埼玉や千葉が出ていても大阪がない理由は、「売れない」からか?
大阪も嫌われたものだ。