847話 韓国、女のひとり酒 その2


 韓国OLは、ひとりで飲むか?

 ひとりで食事をしても「哀れな人」と思われる韓国で、「女が、ひとりで、酒を飲む」ドラマは、どういう設定にすれば成立するのか。そういう興味でこの韓国ドラマを見た。
 結論を先に言えば、そういう設定は韓国ではやはりかなり難しい。女のひとり酒は、韓国ではまだリアルではないということだろう。
 33歳の編集者である主人公ラ・ヨジョが食べたのは次のような料理だ。回想と夢での食事は除外して、現実の食事状況を書き出してみる。ドラマに登場する店は、いずれも実在する店だ。料理名は基本的に、ドラマの字幕のままにする。
 第1話 夕方、同僚5人で韓国料理店。サムギョプサル(豚バラ肉焼き)などがテーブルに見える。ヨジョはこういう宴会が嫌で、急用を思い出した振りをして抜け出し、牛丼屋に寄って、牛丼と生ビール。カウンターの隣りの席で、武田梨奈がさりげなく食べている。
 第2話 ひとりで韓国料理店に行き、キムチ鍋と豚キムチ蒸しと焼酎。
 第3話 ひとりで日本式居酒屋へ。アボカドの焼き物と甘鯛の塩焼き、焼酎。
 第4話 同僚とふたりで飲み屋。 海鮮チヂミ(イカと小エビ入り)、トンドン酒(マッコリに似た酒)。詳しくは、これなど。
 http://www.koparis.com/~hatta/gimon_003.htm
 第5話 昼間、コンビニで買った缶ビールを、コンビニ前の椅子に腰かけ、ゴクゴク(悲しいことがあったから)。夜はひとりでフグ専門店に。てっちり、フグフライ、ヒレ酒。
 第6話 自室で自炊。ひとりで昼飯。「灰貝の和え物」という字幕説明だが、ハイガイを茹でて辛いタレをのせたもの。ハイガイは、赤貝に似た姿の貝で、日本ではほとんど取れない。生野菜スティック、ご飯。夜は、何かを加えたビールだけ。
 第7話 昼、同僚たちとイタリア料理店。パスタを食べに行ったようだが、映像はない。夜はひとりで中国料理店へ。エビの甘酢あんかけ、貝柱料理、白酒。
 第8話 同僚とふたりで、タイ料理店。ヤムウンセン(春雨和え物)、トムヤムクン、ソムタム(パパイアの和え物)、カイヤーン(タイではニワトリの直火焼きだが、番組では揚げていた)、白ビール
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB
 第9話 社員でハイキングに行く 「ガンギエイ」と字幕に出ているが、ガンギエイを発酵させた「ホンオフェ」が差し入れ。社員それぞれに弁当が配られるが、内容は不明。マッコリ。
夜は同僚とふたりで、焼き鳥屋。焼き鳥のほか、トマトのベーコン巻きやアスパラガスの豚肉巻きなどの串焼き。桜ビール。
 第10話 ひとりでステーキハウス。「ステーキと赤ワイン」とだけ注文。肉の部位や焼き方は指定しない。
 こうやって、ビデオを見ながらメモをとってみたら、「なるほど」とわかることが多い。その説明をすると長くなるので、次回に。