チェコの食文化 その6 外国料理 2
マクドナルドがチェコに初めて出店したのはいつなのか、調べてみた。チェコ・マクドナルドのHPで、1992年に最初の店が営業を始めたとわかった。1989年のビロード革命のすぐあとだとわかる。それ以外にも興味深い情報が目に入った。マクドナルドをチェーン展開した男、マクドナルド・コーポレーションの創業者レイモンド・アルバート・クロック(1902~1984)は、チェコ移民の息子だ。その人物を描いたのがアメリカ映画「ファウンダー」(2016)だ。マクドナルドというハンバーガー店を作ったのはマクドナルド兄弟だが、兄弟をうまくだましてチェーン店にしたのがクロックだ。
KFCの進出は1994年らしい。運営会社はピザハットやバーガーキングなどを扱っていたので、この時代にピザハットも進出したらしいが、のちに撤退し、再進出したらしい。
この十数年で、ショッピングセンターがどんどんできて、そこにチェコ料理店以上に多くの外国料理店が出店した。ベトナム、イタリア、インド、タイ、中国、日本の各料理からステーキなど専門店などさまざまだ。プラハに外国料理店が多いのは、外国人観光客が多いという理由もあるだろうが、チョコ人も食への強い好奇心があるのだろうと思われる。
いつもの重要参考文献『プラハの春は鯉の味』によれば、1996年の時点で、マクドナルドは全国に18店舗、KFCはプラハ市内だけで5店舗あるという。ハンバーガーの「セットメニューが80~90コルナ、中流レストランでの夕食代とほぼ同じ程度」だから店内は閑散としているかというと、「夕方時の店はどこも込み合っています」という。
同じ時代のタイやマレーシアやインドネシアでも同じように、アメリカ式ファーストフードは、「簡便で安価」なのではなく、「ちょっとしたぜいたくな食事」だった。バンコクでは、ハンバーガー1個の値段は、屋台の1食よりも高かった。それでも客が来たのは、「冷房が入ったおしゃれな店」だったからで、中産階級を刺激した。チェコも同じような状況だった。外国人にとっては、正体がわかっている食べ物で、チェコ語がわからなくても注文できて、比較的安いといった点などで、高い人気がある。
チェコでは、チェスケー・ブディェヨビツェの2回の朝食をマクドナルドで食べた。私はハンバーガーのパン、ほかほかふかふかのバンズが好きではないし、ハンバーグも好きではないのだが、イングリッシュ・マフィンは大好きだから、旅行中の朝食はマックに行くことがある。台北での朝食は、たいていマックでこの朝食セットを食べていた。
チェコでは、エッグ・マフィン(イングリッシュ・マフィンにベーコン・エッグをはさんだサンドイッチ)49コルナに、コーヒー29コルナ(150円)、合計78コルナの朝食だ。日本円にすれば、390円。
日本のマクドナルドをほとんど知らないので、味の比較はできない。価格をHPで調べると、日本ではエッグマックマフィンは200円。コーヒーのMサイズは150円で合計350円(税込み)。日本の方が安いのだ。
ショッピングセンターのなかにも、あのMのマークが・・・。プラハ。
その夜景。矢印の下にマックが見える。
チェコ南部の街、チェスケー・ブディェヨビツェの朝食はマックのエッグ・マフィンとコーヒー。
翌日もマックの朝飯。早朝に営業している食堂がほかにないのだ。ふと、チーズバーガーなるものを食べてみようかと思った。私にとっては未知の味だ。
イングリッシュ・マフィンにハンバーグとチーズ。粗挽きハンバーグというのは日本にもあるのだろうか。
プラハでは、カジノと同じくらいマックとKFCに出会う。このKFCの左隣にマック・カフェがある。