2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

1705話 東南アジアと日本の若い旅行者 その6

個人旅行用ガイドブック ギリシャから日本までの陸路旅ガイド『アジアを歩く』(深井聰男、山と渓谷社)の初版は1974年で、78年に第2版が出ている。日本初の本格的個人旅行ガイドだが、東南アジアや東アジアに関する記述は少ない。 イギリスからオーストラ…

1704話 東南アジアと日本の若い旅行者 その5

プラザ合意とガイドブック 先進国の住民の海外旅行史にとって、プラザ合意は画期的なものだった。1985年9月、ニューヨークのプラザホテルに先進5か国の大蔵大臣があつまり、アメリカが輸出で増益をはかるためにドル安に移行することに合意した。アメリカの…

1703話 東南アジアと日本の若い旅行者 その4

狂乱のホテル事情 1980年代後半から90年代の、タイホテル狂乱時代を身をもって体験している。その時代にタイで暮らしていたというだけでなく、親しい友人が旅行会社で働いていたので、旅行業界の裏事情も多少は知っている。その時の話を書いておきたい。 タ…

1702話 東南アジアと日本の若い旅行者 その3

タイの観光政策 日本にタイ料理店が増えた理由は、日本人客が多く食べに行ったからだ。タイ人客だけを相手にするなら、こんなに多くの店舗は必要ない。 ここでは、タイがどのようにして世界に「タイ国」を認識させ、観光客を集めたのかという話をしたい。 タ…

1701話 東南アジアと日本の若い旅行者 その2

日本のタイ料理店 日本のタイ料理店の歴史から、日本人にとってのタイ料理との付き合い、そして東南アジアとの付き合いの話を始めたい。 料理店は活字媒体などに記録が残っていないと、あとから足跡を追うのが難しい。 日本のタイ料理店の歴史はよくわからな…

1700話 東南アジアと日本の若い旅行者 その1

マイナーな東南アジア 外国旅行をしたいと思っている日本の若者にとって、東南アジアは長い間見えない地域だった。外国旅行と言えばヨーロッパかアメリカが目的地の相場で、団体旅行者はそれにハワイや香港や台湾などが入るのが、1980年代なかばまでの日本人…

1699話 日々雑話 その4

■メモをもうひとつ。RCサクセションの「スローバラード」が、オーティス・レディングの”Glory of love”そっくりというのは有名だが、Ketty Lester “Love letters”のピアノもよく似ていると思いません? ■スマホ購入には、まだまったく手をつけていない。日本…

1698話 日々雑話 その3

■ライター武田砂鉄は、「読書の敵はパソコンだ」と言った。まったく同感。本を読んでいると知りたいことが出てきて、パソコンで調べ始める。参考資料は出版されているかどうか調べたり、著者の略歴を調べたり、その本が扱っているテーマの歴史的背景を知りた…

1697話 日々雑話 その2

■業務スーパーで売っている葱抓餅(ツォンジュアビン)は、インドのパイ風薄焼きパンのパラータやマレーシアのロティの代用になる。1袋で3人か4人前。 ■カレーとラーメンが日本人は大好きだが、カレーラーメンは広まらない、カレーうどんは専門店も冷凍食…

1696話 日々雑話 その1

■重い腰を上げて、やっとパスポートの更新手続きをやった。 手続きの話に入る前に書いておきたいことがある。パスポートの申請はデジタルでやった。といっても、デジタルで送るのではなく、申請書の記入はパソコンでできて、それをプリントアウトして役所の…

1695話 音楽は、うまいからいいというわけじゃない

2003年のテレビ番組「情熱大陸」で、アメリカで活躍する新進気鋭のジャズピアニスト上原ひろみを知った。取材時はまだバークリー音楽院の学生で、放送時は首席で卒業した直後だった。 私はジャズが大好きだが、音楽学的知識はゼロだから、彼女の才能はわから…