585話 おっ、似ている

 アメリカ映画を見ていて、あまり面白くないと、「この映画の日本版を作るとすれば、どうするかなあ」などと考えることがある。CIAが出てくるような映画では、リアリティーを持ったまま日本版を作ることはできないが、家族や愛情をテーマにしたヒューマンドラマなら、そのままのシナリオで日本版を作ることができる。「さて、役者は誰にしようか」などと、プロデューザーごっこをしていることがある。
 韓国のドラマや映画の場合は、日本版がどうのといったことを考える以前に、画面で役者を見たとたん「おっ、似てる!」と感じることが多い。韓国人俳優に似ている日本の芸能人を探しているのではなく、見たとたんに、何も考えずに、その役者に似ている日本人の顔が浮かんでしまうことがあるのだ。
 ごくたまに、「こういう役どころは、日本なら大杉蓮だな」などと想像することはあるが、多くの場合は、そういう理性的判断ではなく、瞬間の直感、ひらめきなのだ。そして、幸か不幸か、「似ている!」と思ってしまうと、ドラマの最後まで「似ている」というイメージを引っ張ってしまうのだ。
 ドラマ「私の名前はキム・サムスン」は、DVDの写真や宣伝の写真では、主演のキム・ソナは桃井かおりなのだが、http://hennbokke.blog.so-net.ne.jp/2007-11-08
実際にドラマを見たら、鈴木砂羽によく似ている。動画はやせてしまった現在の姿だが、静止画の方がより似ている。
http://www.kimsuna.jp/
 動画を見て驚くかもしれないが、彼女は少女時代を日本で過ごしたので、日本語がうまい。
 「サイン」では、主演のパク・シニャンhttp://little25.blog66.fc2.com/blog-entry-650.html
は、どう見ても松尾貴史だ。
 そういう遊びをしていて、「シークレット・ガーデン」を見た。ヒョンビン宮迫博之に見えてきた。http://www.tbs.co.jp/hanryu-select/secretgarden/index-j.html
 「私の名前はキム・サムスン」でのヒョンビンは知っていて、そのときはだれかに似ているとは感じなかったので、「シークレット・ガーデン」の場合は、髪型が当時の宮迫に似ているというのが強い印象だったからだろう。
 ヒョンビン宮迫博之説に気がついている人がほかにどれだけいるのか気になって、ネットで調べているうちに、興味深いサイトに行き当たった。誰と誰は、そっくりでしょと投票しあう「soKKuri?」http://sokkuri.net/だ。
 それは2012年のことで、ヒョンビン宮迫博之説を思いついた人は私の他にも少数はいたが、その当時は「そっくり」と主張する人は少数で、「似てない」という反対票の方がはるかに多かった。ところが、このドラマの放送が進み、再放送やNHK以外の局でも放送するようになると、わが直感を支持する人が増え、いまでは賛成票が反対票の倍になっている。
 こういう「似ている」遊びをやっていて気がつくのは、韓国の女優はおもしろくないということだ。どの顔も似たようなもので、名前と顔が一致しなくなり、顔も忘れる。整形手術と化粧で、画一的な美人が大量生産されたせいだと思う。そういうなかで、「ちょっと変で、おもしろい」と感じているのがキム・ソナで、このサイトで調べてみると、私と同じように鈴木砂羽と似ていると感じている人が多数いることがわかった。この二人は、顔つきだけでなく、芸風も似ているので、姉妹の設定でドラマができたらおもしろいなあと思う。
 さて、soKKuriというサイトは、韓国芸能人の調査だけではなく、いろいろな楽しみがある。
 先日、このサイトで遊んでいたら、「カルロス・ゴーンサン・テグジュペリは似ている」という情報があり、カルロス・ゴーンの顔は知っているが、サン・テグジュペリの顔は知らないので、調べれば、まあ、確かに似た感じではある。http://sokkuri.net/alike/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%B3/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%B0%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%9A%E3%83%AA
 イモトアヤコと高梨沙羅とか、山村紅葉鈴木明子というような組み合わせは多くの人が気がつき、賛成票が多いのだが、アイドルの場合は「あんな人とは、絶対に似ていない」といった反対票が多く入るような気がするのだが、松本潤と似ている人物ランキングで3位に入っているのがさかなクンだから、狂気の反対運動はないようだ。