2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

1272話 捨てるもの タイ音楽のカセットテープ その1

もうそろそろ、カセットテープを捨てようかと考え始めた。 タイ音楽とタイ人について本を書いてみたくなったのは、1990年代初めごろだっただろうか。一般的に、音楽の本は、音楽を送り出す側の事情を調べて書くものだ。ミュージシャンとかプロデューサーや作…

1271話 捨てるもの 古新聞と本の山脈

プラハの旅行記を書き終えたので、棚に詰めた本を移動させないといけない。今までは、台湾の本でもイタリアの本でも、用が終われば床に積んでいたのだが、もうそういう余裕がない。だから、まず、本棚の不要資料を処分して、そこにチェコの資料を移し、あい…

1270話 プラハ 風がハープを奏でるように 79回

最終回 幸福な時 ブログの旅も、今回で終わる。 チェコを旅したのは2018年の9月から10月のひと月ほどで、プラハの旅物語第1回は11月1日の公開だった。20回くらいで終わろうと思っていたが、予定に反して80回近く書くことになってしまった。この半年ほどプラ…

1269話 プラハ 風がハープを奏でるように 78回

最終章 落穂ひろい 3 ■スメタナ・・・チェコの有名作曲家と言えば、ドボルジャークとスメタナだろう。現場で聞いてみようかという思いつきで、我がウォークマンに楽曲を入れておいた。初めて聞く曲はない。スメタナといえば、交響曲「我が祖国」が有名で、と…

1268話 プラハ 風がハープを奏でるように 77回

最終章 落穂ひろい 2 ■パン屋・・・スーパーのパン屋で、観察者になった。日本にも多くあるインストアベーカリー、客が勝手にパンを選んでレジに持っていくというタイプのパン屋で、客はどうやってパンを買うかだ。 日本なら、大抵は片手にトレイを持ち、好…

1267話 風がープを奏でるように 76回

最終章 落穂ひろい 1 プラハの話を書き始めたころは20回程度で終わるだろうと思っていたが、書けばわからないところがどんどん出てきて調べ始めて、ついつい長くなった。そろそろ店じまいとしよう。最後に「落穂ひろい」として、1回で書くには短いメモをいく…

1266話 プラハ 風がハープを奏でるように 75回

墓を探す ビシェフラド地区に行ってみた。城跡や墓地がある地区だ。きつい坂道を登って丘の上の城跡に出た。ここからプラハの東側が見渡せる。その眺望を求めてここに来たのではないが、予想していなかった収穫だ。 城門をくぐると、城跡。 あまり知られてい…

1265話 プラハ 風がハープを奏でるように 74回

グランドホテル 昼前に、チェコ南部のチェスケー・ブディエヨビツェに着いた。Budějoviceという地名は、アメリカでBadweiserというビールの名前になった。ビールの街だが、酒を飲まない私にはどうでもいいことだ。 駅前のホテルに行って空き部屋を確認した。…

1264話 プラハ 風がハープを奏でるように 73回

映画を見る その3 言語学者黒田龍之介の『物語を忘れた外国語』(新潮社、2018)のなかに、「外国語・シネマ・パラダイス」という章がある。「日本にいて外国語に触れたくなったとき、わたしは本を読むか、映画を観る」と書いている。ある言語が使われてい…

1263話 プラハ 風がハープを奏でるように 72回

映画を見る その2 帰国して、アマゾンをチェックした。チェコ映画のDVDを安く売っているかどうかのチェックだ。「安く」というのは、内容がまったくわからないで注文するなら安いに越したことはないという判断だ。 「プラハ」という映画が見つかった。”Prah…

1262話 プラハ 風がハープを奏でるように 71回

映画を見る その1 散歩をしていて映画館を見つけたので、ロビーに入って上映中の作品を点検した。チェコ映画を見たいのだが、製作本数はそれほど多くない国だろうから、私の滞在中にうまい具合に見ることができるかどうか不安に感じつつ、上映作品リストを見…

1261話 プラハ 風がハープを奏でるように 70回

ティナと その5 その日もティナとしゃべっていた。彼女の夕食は、たいてい肉と野菜とご飯だった。「パンより、ご飯が好きなの」といって、ステンレス鍋でじょうずに炊いていた。かなり多めに作っていたのは、夕食と翌日の弁当の2食分作っていたからだ。堅実…